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2021年(令和3年度)9月16日定例県議会議事録

福羅浩一 一般質問、インターネット録画中継
問1 子どもの相談活動の状況と今後の体制の充実はどうか。また、子どもの居場所づくりに向け、どう取り組むのか。
【教育長答弁】
 1年半に及ぶコロナ禍により、学校内外で活動制限が長期化し子供たちの心身にも少なからぬ影響が生じている中、学校では、学級担任はもとよりスクールカウンセラー等専門職による子供たちの見守りを強化し、昨年度は、開校日が少なかった中で前年を上回る4万件余りの相談に対応したほか、全ての中高生を対象に開設したSNS相談でも、友人関係や心身の健康、学業・進路など幅広い内容について、年間600件を超える相談を受けている。
 こうした中、コロナ禍の収束が見通せないままに2度目の進学・就職シーズンを迎えるに当たり、県教委では、子供たちの不安や疲労の蓄積を考慮し、例年相談件数が増加する11月から1月の3か月間は、SNS相談の開設日を週2日から毎日に拡充し、問題が深刻化する前に気軽に相談できるよう体制強化を図りたいと考えている。
 また、子供たちの生活に潤いを与え、学びの機会を提供してきた放課後子ども教室や地域イベントも、コロナ禍による縮小が長期化していることから、子供たちの居場所づくりや体験交流活動を行う市町への支援を拡大することとし、必要な経費を9月補正予算案に計上しており、今後とも、子供たちが健やかに育つ環境づくりに取り組んで参りたい。

問2 島しょ部や中山間地域における小規模校の存続について、どのような方針で取り組んでいくのか。
【教育長答弁】
 本県の小規模校は、地域と連携した課題解決型学習を積極的に推進しており、今治・越智地区島しょ部の3校においても、島の企業の活動を研究する一環で海外研修も行う伯方グローカルプロジェクト、地域資源の磨き上げとPRを実践する大三島魅力化プロジェクト、島での仕事づくりに挑戦する弓削高校の起業家教育など、少人数ならではの顔の見える関係を活かし、自治体や地域住民の支援を得ながら、地域に根差した学びに主体的に取り組んでいる。
 一方で、少子化が進み、現行のままでは地域内で複数の小規模校が共倒れとなる事態も危惧される中、検討委員会の中間報告では、地域活性化の核としての学校の役割が再認識され、市町内唯一の学校や島しょ部の学校への特例措置、地域資源を生かした学科・コースの新設等による魅力化の推進などが提言されているところ。
 県教委としても、通学環境が劣る島しょ部や、地域から存続のための支援を受け成果が認められる学校については、一定の配慮が必要と考えているが、一方で、最も大切なことは「学校の存続」ありきではなく、「生徒により良い教育環境を提供する」ことにあり、それを第一義とした生徒本位の計画づくりを進めることとしており、今後とも、圏域ごとの地域協議会を通じ、地域の声をくみ取りつつ、生徒に選ばれる魅力ある学校づくりに取り組んで参りたい。

問3 えひめ地域政策研究センターのこれまでの実績と今後の取組みはどうか。
【企画振興部長答弁】
 えひめ地域政策研究センターは、地域づくりを主導する官民連携の要として、これまで、調査研究や提言、地域に根差した集落対策、地域づくり活動支援など、幅広い事業展開で地域活性化に貢献するとともに、市町や企業からこれまでに78人の研究員を受け入れるなど、人材育成や人的ネットワーク構築にも重要な役割を果たしてきた。
 特に近年は、喫緊の課題である人口減少に対応するため、これまでに培った市町や民間との連携をフル活用し、オンライン移住フェアの開催や、移住コンシェルジュによる丁寧な移住相談など、積極的な移住促進策を実施し、昨年度の移住者数は過去最高の2,460人となっている。
更に、南予地域への移住促進のため、今年4月に、内子町のコワーキングスペースに移住マネージャーを配置し、南予市町とも連携して受入態勢の強化を進めている。
 今後は、ますます激化する地域間競争を勝ち抜くため、本県の地域政策を主導する同センターと、地域活動の最前線に立つ市町や関係団体等との連携を一層深化させるとともに、センターとの協働のもと、移住先として選ばれる地域づくりや、交流人口・関係人口も取り込んだ担い手育成など、足下の地域課題に特化した取組みを重点的に展開して参りたい。

問4 アフターコロナを見据えて、しまなみ地域への誘客促進にどう取り組んでいくのか。
【知事答弁】
 国内外から今では、年間30万人を超えるサイクリストが訪れるしまなみ海道は、コロナ禍でのアウトドア志向の高まり等を追い風に、更なる来訪者の増加が期待されており、今後、本県側の魅力的な地域資源とも連携させながら、県内への一層の誘客促進を図る仕掛けづくりが極めて重要となってきている。
 このため県では、昨年度、来島海峡大橋の魅力向上に向けた愛称「クラウンブリッジ」の命名や、いわゆるインスタ映えするモニュメントの設置等に加え、外部専門家の助言等を踏まえた、架橋の桁外作業車体験やヨットクルーズ、無人島キャンプ等の新たな体験型コンテンツの掘り起こしのほか、宿泊施設向けの外国人対応講座の開催、住民のおもてなし活動への支援など、インバウンドにも訴求できる滞在型旅行商品の造成や受入態勢の強化に取り組んでいるところである。
 更に本年度は、しまなみツーリズムの多彩な魅力を伝える動画を作成し、コロナ感染状況を注視しながら、SNSでの広告配信やOTAサイトでの販売促進キャンペーンの準備を進めるとともに、新たに、ウインタースポーツが盛んな北海道の事業者と、季節毎にインバウンドを誘致し合う取組みについての協議も行っている。
 今後とも、地元の自治体や観光事業者、住民団体等と連携しながら、しまなみ地域が、国内外から多くの旅行者が訪れ、リピーターとなる滞在型観光エリアへと飛躍できるよう、鋭意取り組んで参りたい。

問5 本県産業のDXの推進に必要不可欠となる人材の確保・育成に、今後どのように取り組んでいくのか。
【知事答弁】
 生産年齢人口の減少や新型コロナの影響による企業を取り巻く環境が大きく変化する中、県内企業が経営力の強化を図っていくためには、デジタル技術を駆使し、製品・サービスやビジネスモデル、組織体制等を変革して、競争上の優位を確立する、いわゆるDXの推進が急務であり、経営層の意識改革はもとより、企業が求めるより実践的なIT人材を確保・育成していくことが不可欠と考えている。
 このため、県では、県内企業の技術者を対象にソフトウェア開発等に関する研修を実施し、平成30年度からの3年間で高度IT人材を200人以上育成してきた。これに加え、更なる産業分野のDXを進めていくため、企業の意思決定の鍵を握る経営層向けの意識改革セミナーや、豊富な知見を有する大学等との連携による、社内人材向けのデータ利活用啓発セミナーを実施するほか、IT人材と企業ニーズのマッチングを図り、専門家のコーディネートの下で実践的なインターンシップとフォローアップ研修を一体的に行うための経費を今回の補正予算案に計上したところ。
 今後とも、県内企業がDXを進めることで、既存の業務プロセスの変革や新たなビジネスモデルの創出により、経営課題を解決し、産業競争力の強化を実現できるよう、産学官が一体となって、高度IT人材を始め、産業分野のDX推進に必要な様々なレベルの人材の確保・育成に積極的に取り組んで参りたい。

問6 今後どのような方針で徴収確保対策に取り組んでいくのか。
【総務部長答弁】
 教育や医療・福祉などの県民サービスを支える自主財源である県税収入の安定確保に向け、県では、毎年度「徴収確保対策本部」を開催し、具体的な数値目標を設定した基本方針を策定するとともに、消費行動の変化に対応し、スマホ決済アプリなどキャッシュレス納付の導入を図り、利便性向上による自主納付促進と、特別滞納整理班による効果的・効率的な滞納整理を積極的に推進してきた。
 令和2年度については、新型コロナによる県税への影響が懸念されたものの、滞納繰越額の約7割を占める個人県民税の事業主による特別徴収の働きかけや税務職員の相互併任制度の全市町への拡大など現場の努力の結果、徴収率は99.21%と前年度を若干下回ったものの2年連続で全国1位となることができた。
 今後とも、今年度新たに5か年の数値目標として設定した徴収率等の達成に向け、納税者の置かれた状況に十分配慮しつつも、税負担の公平性の観点から、公正かつ厳格な滞納処分を行うとともに、税務署や市町と連携して、納税意識の向上への取組みの強化を図り、貴重な自主財源である県税収入の確保と県民に信頼される税務行政の確立に向け、職員が一体となって徴収確保対策に全力で取り組んで参りたい。

問7 県管理道路における防災対策の現状はどうか。また、今後どのように取り組んでいくのか。
【土木部長答弁】
 県では、近年の激甚化・頻発化する豪雨や南海トラフ地震等の自然災害に備え、「安全で信頼性の高い道路網」を確保するため、トンネル保全対策、橋りょう耐震補強及び法面対策など、事前の防災対策に積極的に取り組んでおり、なかでも、災害時の避難・救援活動を支える緊急輸送道路の対策を重点的に進めているところ。
 具体的には、これまで県管理道路の防災点検で対策が必要とされた2,588箇所について、昨年度末までに 1,766箇所が完了し、進捗率は68%となっている。このうち緊急輸送道路では、1,015箇所のうち913箇所が完了し進捗率が90%に達し、トンネル保全対策や橋りょう耐震補強が概ね完了するなど、重点化の成果が表れている。
 引き続き、緊急輸送道路の防災対策の早期完了を目指し、今回の補正予算案に関連事業費を計上するとともに、国の「5か年加速化対策」も最大限活用して着実に道路網の安全性を向上させるほか、大規模災害時に速やかに通行できるよう、国や業界団体と合同で道路啓開の訓練を実施するなど、ハード・ソフトの両面から、県民の安全・安心につながる道路の防災対策の推進に全力で取り組んでまいりたい。

2020年(令和2年度)9月16日定例県議会議事録(代表質問)

福羅浩一 代表質問、インターネット録画中継
問1 安倍政権に対する知事の評価はどうか。また、新政権に期待することは何か。
【知事答弁】
 安倍政権は、7年8か月にわたる安定的な政権運営のもと、経済再生を最優先に掲げ、大胆な金融緩和や積極的な財政出動により、企業業績の向上や株価の上昇、雇用情勢の改善等を実現するとともに、特に、外交面において良好な日米関係を構築し、積極的な首脳外交により国際社会での我が国の存在感を高め、通商交渉やオリ・パラ誘致等に実績を残されたことを評価しているところ。
 また、人口減少が進む地方に対し、地方創生を強力に推進し、地域活性化に向けた主体的な取組みを一貫して支援頂いた。さらに、西日本豪雨災害で、発災3日目に私が上京した際、安倍総理に深刻な被災状況を直接受け止めていただき、南予での大規模断水の迅速な復旧への支援や、肱川の治水対策をはじめとする防災・減災対策にご尽力を賜り感謝申し上げたい。
 一方で、我が国の持続的な発展に不可欠な成長戦略については、インバウンドの拡大等により地方経済にも好循環が生まれたものの、デフレ脱却等景気浮揚は限定的なものに留まったほか、社会保障制度と財政健全化の一体的な改革や地方分権改革に大幅な進展は見らなかったことと思う。二度の消費増税等で国民に負担を求めたにも関わらず、国民との約束である国会議員の定数削減など、身を切る改革が進まなかったことは残念に感じている。
 本日発足する新政権には、まずは何よりも新型コロナウイルス対策に最優先で取り組み、感染拡大の防止と落ち込んだ経済活動の回復への道筋を示すことで、国民の不安払拭に努めるとともに、人口減少や少子高齢化、災害からの復旧・復興、エネルギー政策など山積する諸課題について、国民目線に立った丁寧かつオープンな議論を展開し、地方や現場の声に真摯に耳を傾けていただきながら、スピード感を持って具体的な成果を出していただくことを大いに期待している。

問2 季節性インフルエンザの流行期の到来を見据え、多数の発熱患者に対応できる検査体制をどのように構築するのか。
【知事答弁】
 本県の新型コロナウイルスの感染状況は、7月下旬から散発的な感染は確認されているものの、関係機関が一丸となって囲い込みを行うことで、感染の拡大は食い止めており、7月以降の人口10万人当たりの感染者数は、8月末現在で47都道府県中44番目となっている。これもひとえに、感染回避行動の習慣化に努めていただいた県民の皆様のご理解と実践、ご協力によるものであり、感謝申し上げる。
 検査については、医師が必要と認めた場合は漏れなく、また、感染が確認された場合は、徹底した囲い込みと封じ込めを行うため、関係者に対し幅広にPCR検査を行うことを基本に、当初から対応してきたところ。このような中、国から、季節性インフルエンザの流行を見据え、これまでの検査体制等を見直し、発熱等の症状が生じた患者については、地域のかかりつけ医などの身近な医療機関に直接相談・受診し、必要な検査に繋げる体制を、地域の医師会とも協議・合意の上で整備するよう求められている。
 このため、現在、発熱患者に対する検査体制の構築について、県医師会の先生方の協力がなければ進まないため調整を進めるとともに、各圏域では、地域の医療資源の実情も考慮し、各医療機関で迅速に検査が行える抗原検査キットの活用の拡大や、ドライブスルー方式による検体採取などの検査方法について、地元市町や郡・市医師会等と協議を進めているところ。多数の発熱患者等の発生が予測される秋冬のインフルエンザの流行期においても、必要な検査が迅速に実施できるよう、今後とも医師会等と緊密に連携を図りながら、多くの医療機関で診療・検査を担う体制ができるよう、その構築に取り組んでまいりたい。

問3 現在の県内経済の状況をどのように捉え、感染予防と社会経済活動の両立に向けてどう取り組むのか。
【知事答弁】
 新型コロナウイルス感染症の影響により、世界各国で過去最悪のマイナス成長が見込まれ、国内景気の更なる後退も懸念される中、県内経済についても、生産や雇用の落ち込みが続いており、9月の県内主要62社への県調査では、9割以上が売上減少等の悪影響があると答えるなど、影響が長期化すれば幅広い業種の事業者が倒産・廃業の危機に直面するのではないかと危惧している。
 県では、いち早く立ち上げた無利子の県単融資制度の枠を2千億円に拡大し、8月末までに約6千件、金額として1,133億円の貸付を行い、企業の資金繰りを強力に支援するとともに、「えひめ版協力金パッケージ」により、3密回避や新ビジネス展開等、県内事業者の前向きな取組みを後押しするほか、県内宿泊旅行代金の割引などにより、地域経済を下支えしてきたところ。
 また、非対面・非接触等の感染予防を織り込んだ新しいビジネススタイルの定着や事業者の経営基盤の強化に繋がる設備導入等への補助制度を新たに創設するとともに、感染拡大予防ガイドラインに基づく各団体の実践活動の深化・定着を促進するなど、感染防止対策を講じつつ、事業活動を継続する取組みも支援している。
 さらに、人やモノの動きを活性化させるため、観光需要を喚起する宿泊旅行代金割引の継続やWeb商談会、バーチャル展示会をはじめとするデジタル技術を活用した販路開拓・拡大に取り組むなど、引き続き、感染予防を徹底しながら、コロナ禍においても、攻めの姿勢を持ち、地域経済の立て直しに全力で取り組んで参りたい。

問4 新型コロナウイルス感染症の影響により大きく落ち込んだ観光需要を喚起するため、今後、どのように取り組むのか。
【経済労働部長答弁】
 県では、新型コロナウイルス感染症の拡大により深刻な打撃を受けた観光産業の早期回復を図るため、6月から県内宿泊旅行代金の割引を実施しており、8月までに発行した6万6千人泊分は全てご利用いただいているほか、宿泊事業者等による受入環境整備や魅力的な宿泊プランの造成・販売など、観光関係事業者の自主的な取組みを支援してきたところ。
 加えて、各市町による独自の取組みなどの成果もあり、5月に前年比約3割まで落ち込んでいた県内主要観光施設の観光入込客数は、6月には約6割、7月及び8月には約7割まで回復しており、県としては、これまでと同様、旅行者及び観光関係事業者の双方に、感染予防及び感染防止策の徹底を呼び掛けるとともに、全国の感染状況を見極めながら、県内宿泊旅行代金の割引を引き続き実施し、更なる旅行需要の喚起を図る所存。
 また、今後は、安全・安心を重視する旅行者の意識変化に即応し、サイクリングや現在整備中の四国最大級のジップラインなどのアウトドア系のアクティビティを中心とした愛媛ならではの魅力を発信することで、効果的な誘客促進を図り、観光需要の回復をより一層後押しし、地域経済の活性化に繋げて参りたい。

問5 地方移住への関心が高まっている中、今後、本県への移住促進にどのように取り組むのか。
【知事答弁】
 本県では、これまで大都市圏での積極的な移住フェアの開催や移住コンシェルジュの設置、移住者の住宅改修支援など、きめ細かな移住促進施策を展開しており、昨年度、全国移住希望地ランキングで初のトップ10入りを果たすとともに、移住者数も、年間1,909人と5年連続で過去最多を更新するなど、着実に成果を上げているものと実感している。
 また、コロナ禍が長期化する中、本年度から、オンラインでの移住フェアや常設相談を実施しているほか、近年の大都市圏における田舎暮らしへの関心の高まりや、働く場所を問わないテレワークの拡大などの動向に着目し、本県への更なる移住に結びつける新たな戦略のもと、8月補正予算で、他県に先駆けて、テレワーカーをターゲットとした移住施策に取り組むこととしたところ。
 具体的には、デジタルマーケティングを活用し、大都市圏のテレワーカーにえひめ暮らしの魅力を効果的に発信するとともに、市町や民間事業者によるシェアオフィス等の整備や、地域特性を活かした交流・体験メニューの開発等への支援を行うほか、特に、人口減少が著しい南予地域では、企業を対象としたワーケーション誘致や、地域おこし協力隊のOB団体等と連携したテレワーカーの地域定着支援を行う拠点施設の整備に取り組み、本県への新たな人の流れを創出したいと考えている。
 今後とも、市町や関係団体等と緊密に連携し、ゆとりと潤いのある環境の中で仕事と生活を楽しむことのできる「愛媛発の暮らし方改革」を広く情報発信することで、本県への移住・定住の一層の促進に努めてまいるる所存。

問6 学校現場では感染症対策や学習・部活動・学校行事等の学校運営について、どのように取り組んでいるのか。
【教育長答弁】
 依然としてコロナ禍の収束が見通せず、感染リスクと向き合いながら、子供たちの豊かな学びを確保する難しい舵取りが続く中、学校現場では、3密回避など従来の基本的対策の徹底に加え、外部からの感染を防ぐ水際対策や感染発生時における迅速かつ徹底した囲い込みなど、家庭との連携を強めながら、影響を最小限に食い止めるための態勢強化に不断の努力を重ねているところ。
 一方、学習面では、夏休みの短縮や指導計画の見直し等により、県内全ての学校で2学期中には学習の遅れを取り戻せる目処が立っているが、再度の休業措置等に備え、オンライン学習による質の高い学びを確保できるよう、全県立学校への映像機器整備や1人1台端末配備などICT環境の整備や、教員のスキルアップを計画的に進めている。また、部活動や運動会、修学旅行など特別活動等については、「感染リスクを管理しながら可能な限り実施する」ことを基本方針として県教委が作成したガイドラインに基づき、学校ごとに工夫を凝らした取組みが進められている。
 県教委としては、「この一年」が全ての子供たちにとってかけがえのない一年であることを強く意識し、コロナ禍にあっても子供たちが学校生活を楽しみ、幅広い経験を養えるよう、今後とも新型コロナの感染状況等を注視しながら「学びの保障」に最善を尽くして参りたい。

問7 水害対策にどのように取り組んでいるのか。
【知事答弁】
 県では、一昨年の西日本豪雨災害の経験を踏まえ、同様の被害を二度と繰り返さないという強い決意をもって、県政の最重要課題の一つに掲げる防災・減災対策を一層推進するため、ハード・ソフト両面から水害対策に積極的に取り組んでいる。
 ハード面では、浸水被害が発生した河川の改修や甚大な被害をもたらす堤防決壊を防ぐための補強対策に重点を置き、治水機能の強化を図るとともに、治水安全度の向上に即効性のある河床掘削にも継続的に取り組んでおり、今回の補正予算案においても、地域からの多くの要望を踏まえ、本年7月の豪雨等により堆積した土砂の撤去を機動的・集中的に行えるよう、必要な経費を大幅に増額して計上している。
 また、ソフト面でも、河川施設のみでは防ぎきれない大洪水は必ず発生するとの認識のもと、県民の皆さんにためらうことなく避難していただくために、小・中学生への防災教育による自助意識の向上や、登録者数全国1位を目指している防災士の養成による地域防災力の充実に取り組むなど、避難支援策の強化を推進している。
 さらに、今後も懸念される水害の激甚化・頻発化に備え、新たな取組みとして、出水期に入る本年6月から、利水者の協力のもと、既存ダムの利水容量を活用して洪水調節機能を強化する「事前放流」の運用を順次開始しているほか、流域内の住民を含めたあらゆる関係者が協働して水害の軽減を図る「流域治水プロジェクト」を、国や市町と連携しながら策定することとしており、今後とも、多様な水害対策を流域全体で推進することにより、県民の安全・安心の確保に全力で取り組んでまいりたい。

問8 上島架橋事業における岩城橋建設工事の進捗状況と今後の取組みはどうか。
【土木部長】
 4つの島を3つの斜張橋で繋ぐ上島架橋の実現は、島民にとって合併当初からの悲願であり、既に橋で結ばれた3島では、地域の祭りやスポーツ・文化活動における交流の拡大、西日本豪雨災害での断水に伴う応急活動など、様々な面で効果を発揮しており、残る岩城橋についても早期完成が望まれているところ。
 この岩城橋は、高さ130mを超える主塔から、ケーブルを使って左右のバランスを保ちながら、海上約45mの高さに橋桁を張り出していく難易度の高い工事であるとともに、現場では、県外からの作業員も多く、3密回避など新型コロナウイルス対策をより徹底し、慎重に作業を進めている。
 現在、2つの主塔の建設とコンクリートの橋桁の架設が約9割まで進捗し、来月には海上から鋼製の橋桁の架設にも着手する予定であり、来年夏頃、全長735mの本体橋の橋桁が繋がる見込み。
 県としては、岩城橋の完成が、上島町全体の一体化はもとより、地域産業の活性化、観光振興等に大きく寄与するとともに、消防活動や救急搬送の新たな移動手段として、住民の安全・安心の確保につながることから、令和3年度の開通に向け、引き続き、全力で取り組んで参りたい。

問9 プロ野球オールスターゲームの2022年の本県開催に向けて、今後どのように取組みを進めていくのか。
【知事答弁】
 この度の本県で3回目となるプロ野球オールスターゲーム開催決定は、新型コロナによる厳しい日常が続く中で、懸命に頑張っている全ての県民の皆様に、困難を乗り越える勇気や希望、活力をもたらしてくれるものと確信しており、これまでの開催と同様に大きな経済効果も期待できることから、大変うれしく思っている。
 今回は全国各地から名乗りが上がり、激しい誘致合戦となったが、県、市町、スポーツ団体、経済団体など、全県を挙げて「野球王国・愛媛」の知名度向上等に取り組んできた「愛・野球博」事業が、日本野球機構や球団等の関係者から高い評価を受けたことが大きな決め手となったと聞いており、今年度末までの3年間としていた同事業を2年間延長するとともに、今回のオールスターゲームをその集大成と位置付け、更なる強固な連携のもと、着実に準備を進めていきたいと考えている。
 このため、愛・野球博実行委員会内に県及び全市町の担当者で構成するプロジェクトチームを早期に立ち上げ、県内全域での機運醸成や盛り上げの具体策を企画・展開することとしているほか、過去2回の名場面などを収録したPR用特別番組の制作やプレイボールイベントを実施することとし、必要な経費を今回の補正予算案に計上したところであり、引き続き、県民の皆様に大いなる感動をお届けできるものとなるよう、様々な工夫を凝らした取組みを積極的に検討・展開して参りたい。

2018年(平成30年度)9月26日定例県議会議事録

福羅浩一 一般質問、インターネット録画中継

問1 平成30年7月豪雨災害について

(1)応急修理の早期施工に向けて、県はどのように取り組んでいるのか。

【保健福祉部長】

 県では、市町と連携して、被災者に対する応急修理制度の周知や修理に関する情報提供などに努めてきたところであり、災害救助法を適用した県内7市町では、9月20日現在、2,037件の応急修理の申込を受け付けており、特に申込みが多い大洲市及び宇和島市では、他県及び県内他市町職員の応援を得て、早期発注に努めている。
 しかしながら、修理に当たる地元業者が対応できる事業量には限界があるため、業者からの見積書の提出は、申込みの約68%の1,390件、発注は約64%の1,306件に留まっている。県では、早期の業者選定・施工を図るため、県と協定を締結している中小建築業協会を通じ、県下全域で、信頼できる施工業者を募集し、特に被害の大きかった大洲、宇和島、西予の南予3市に紹介するマッチング事業を9月から実施しているところであり、県としては、今後とも、3市における応急修理の重点的な支援に努め、被災者が早期に自宅での日常生活を取り戻すことができるよう全力で取り組んでまいりたい。


(2)避難勧告・指示の伝達方法と発令時期はどうであったか。また、効果的な避難につなげるため、住民の意識啓発も含め、どのように取り組むのか。

【防災安全統括部長】

 今回の豪雨災害において、市町は避難勧告や避難指示を、防災行政無線の屋外型スピーカーや戸別受信機、消防団等による戸別訪問で呼びかけたほか、緊急速報メール、コミュニティFMやCATVなど、多種多様な情報ツールで住民に伝達している。集中豪雨となった7月6日から7日の避難勧告・指示の発令時期は、被害が大きい宇和島、西予、大洲、松山、今治の5市では、6日夜のはじめ頃から7日朝で、未明や明け方にも発令されたところ。
 こうした伝達方法や発令時期については、報道等でもその効果やタイミングなど様々な課題が指摘されていることは県としても認識しているが、一方で、防災行政無線の戸別受信機による呼びかけや、自主防災組織等による早めの避難誘導で人命が守られた事例もあり、今後、関係者や専門家の意見を聴いてソフト、ハード両面から幅広く分析・検証を行い、得られた教訓を基に避難情報の伝達や発令方法について検討してまいりたい。
 また、住民が、速やかに適切な避難行動を起こせるよう、住民への防災意識啓発講演、自主防災組織の活動支援やその核となる防災士の養成などにより自助・共助の取組を一層促進し、効果的な避難につなげてまいりたい。


問2 行革甲子園2018の成果を踏まえ、県内市町における行革推進を今後どのように支援していくのか。

【知事】

 行革甲子園は、削減ありきの暗いイメージの行革を明るく前向きに捉え、各自治体で懸命に創意工夫を重ねてきたノウハウを広く共有・活用することで、行革を通じたより良い地域づくりに結びつける取組みとして全国に発信し、定着してきたと、大きな手ごたえを感じている。
 今回の行革甲子園では、応募141件中、AIやIoTなどの活用事例が多く、当日の発表でも、ICTや定型的業務を自動化するロボティック・プロセス・オートメーションを活用した先進事例が紹介されるなど、限りある人的資源の中で、時代を先取りした斬新な発想や技術を果敢に取り入れ、行政のイノベーションを図ることが重要であることを再認識した。また、特別企画として発表いただいた台湾・台北市の事例により、これまでとは違った発想に触れ、行革の種に新たな視点を加えることができたと考えている。
 県としては、自治体の様々な行革事例が他の地域にも共有・活用され、更に磨きをかけることは、限られた資源で行政サービスを提供していくためには極めて有効と考えており、引き続き行革甲子園の開催等を通じて、全国の優良事例の収集やノウハウの吸収、情報提供に努めるとともに、優良事例の横展開や自治体間の連携・共同化を促進するなど、行革先進県愛媛を確固たるものにできるよう、県内市町における行革推進を積極的に支援して参りたい。


問3 福井国体における本県の成績の見通しはどうか。

【スポーツ・文化部長】

 今年の福井国体における本県の目標については、岩手県が国体開催の翌年にえひめ国体で残した成績14位を上回る13位に設定し、選手強化等に対する支援を継続するなど、将来に亘って全国上位の成績を残せるよう努めており、8月のインターハイにおいても過去最高の58件で入賞を果たすなど、ジュニア世代も確実に力を付けてきている。
 福井国体については、今月9日から開催された会期前競技において、ビーチバレー男子が国体2連覇、ハンドボール少年女子が4位入賞など嬉しい結果も届いているが、一方で「えひめ国体までは現役で」と頑張ってくれていた選手が引退するなど、世代交代の時期にある競技も多く、また、福井国体での活躍を期待していた競技が四国ブロック予選で思わぬ敗退をするなどの取りこぼしもあった。
 13位という目標達成には、今週末から開幕する福井国体本番での選手達の頑張りが必要であるが、選手たちは「活躍する姿をお見せすることで、豪雨災害で被災された方々や県民の皆さんに元気を届けたい」との強い気持ちを持ってくれており、現在、万全の状態で競技に臨むべく最終調整をしているところである。県民の皆様方には617名の本県選手団が持てる力を十二分に発揮できるよう、えひめ国体の時と同様に熱いエールを送っていただきたい。


問4 チェジュ航空の運航開始から現在までの経済効果や利用客の路線に対する評価はどうか。また、今後増便分も含めて路線を維持するためにどう取り組むのか。

【知事】

 ソウル線の経済効果は、就航前に民間シンクタンクが週3往復・搭乗率80%の条件で年間約6億9千万円と試算していたが、今年6月までの平均搭乗率が90%を超え、7・8月の増便もあり、試算を上回る経済効果が見込まれる。この路線は、割安な料金設定に加え、“都会から地方都市”という韓国の訪日旅行のトレンドを追い風に、特に韓国人観光客から高い評価を得ており、旅行後のアンケートでは9割以上の方から再度訪問したいとの回答を頂いている。
 今後県では、増便後の安定運航を支援するため、本県の最新の観光・グルメ情報を、チェジュ航空会員向けメルマガ等で発信するとともに、韓国テレビ番組や観光施設等特典紹介サイトの制作等を通じて、冬場の更なる需要の掘起こしや南予地域等への周遊促進を図るほか、アウトバウンド比率4割を目標に、若者のパスポート取得を後押しする「初めての海外旅行応援キャンペーン」の対象年齢を引下げたほか、SNS等でのプロモーション強化による家族旅行・卒業旅行での利用拡大、韓国進出企業等へのビジネス利用の働きかけ強化に取り組む予定。
 引き続き、チェジュ航空との関係を密にし、情報共有や協議を定期的に行うとともに、新規利用者やリピーターの掘起し等に継続的に取り組み、路線維持に努めて参りたい。


問5 県内小中学校のエアコン設置状況について、県はどのように考えているのか。また、市町の設置促進に向けて今後どのように取り組んでいくのか。

【教育長】

 県内公立小中学校のエアコンの設置については、学校設置・管理者である各市町が立地条件や周辺環境など地域の実情に応じて整備を進めているが、平成29年4月の普通教室における設置率は5.9%、全国で41位に止まっている。これは、各市町において、これまで耐震化に最優先で取り組んできたことや、エアコン設置には大きな財政負担を要することなどが主な要因であると考えている。
 こうした中、松山市、上島町、伊方町、松野町においては、今年度末までにすべての小中学校の普通教室にエアコンの設置を完了する予定であるなど、記録的な猛暑といった近年の厳しい気象条件を踏まえ、各市町において計画的な整備に向けた動きが加速しており、今年9月時点の普通教室の設置率は34.1%、年度末には40%を超える見込みである。
 県教育委員会としては、児童生徒の健康への配慮や快適な学習環境の確保の観点から、学校のエアコンの設置促進は喫緊の課題と認識している。国においても、小中学校のエアコン設置に対する財政的支援を拡充する動きもあることから、その動向を十分注視しながら、各市町への訪問や市町間での情報交換の場の設定などにより、設置状況の把握・提供に努め、着実かつ速やかな整備を積極的に働きかけてまいりたい。


2017年(平成29年度)11月30日定例県議会議事録

福羅浩一 一般質問、インターネット録画中継

問1 今治市の大学獣医学部について

(1)今治市への支援額と妥当性についてどのように考えているのか。

【企画振興部長】

 今回の今治市における獣医学部の新設については、文部科学大臣の諮問機関である大学設置・学校法人審議会において、教育課程や組織、校舎等に関する大学設置基準をはじめ、財政計画や管理運営に関する私立学校法への適合性などについて、約8か月にわたり専門的見地から厳正な審査を経て、責任感を持って認可されたものと認識している。
 また、今治市は、事業の妥当性や安全性を検証するため、大学教授や建築士、弁護士、公認会計士からなる第三者委員会を設置し、県もオブザーバーとして参画して、校舎建設や設備など整備事業費の精査はもとより、細菌等を扱う実験施設の安全性や経済波及効果の妥当性、補助金交付決定や土地無償譲渡の手続きの適法性に加え、大学の財務状況や市の財政見通しに至るまで、事業全般において、年内を目途に結論を出す方向で、適正かつ客観的な審査が行われているところ。
 県としては、今回の獣医学部誘致が、公務員獣医師の安定確保はもとより、若者の地元定着や産業振興に繋がる画期的な地方創生プロジェクトと認識しており、今治市の第三者委員会の審査結果を受けて、関係部局の専門的知見も生かしながら、事業費の妥当性を十分精査した上で、支援額の検討を進めて参りたい。


(2)県職員獣医師の処遇改善にどのように取り組んでいくのか。

【総務部長】

 本県獣医師職員については、近年、採用試験において受験者が採用予定数に満たない年もあるなど、人員確保に苦慮している状況にあり、これまでも、人事委員会報告を踏まえ、獣医師職員に対する初任給調整手当を創設するなど、人材確保の観点から処遇改善に努めてきたところである。
 本年の人事委員会報告において、初任給調整手当については、獣医師職員の職務の専門性や困難性の増大などにより、更なる人材確保対策のため、手当額を引き上げるよう言及されたことから、他の都道府県の状況を踏まえ、採用初年度で手当額を月額約3万円から5万円に、また、支給期間を10年から15年とするなど、在職者も含めた処遇改善を実施する条例改正案を今議会に提案している。
 今回の獣医学部の開設については、将来的に、受験者の増加に繋がるものと期待しており、引き続き、全国獣医系大学への働きかけのほか公衆衛生や畜産分野におけるインターンシップ生の受け入れに取り組むとともに、人材確保の観点からの処遇改善について、人事委員会勧告等を踏まえて適切に対応して参りたい。


(3)獣医学部に関連した各種研究機関や製薬会社、食品関連会社等の誘致について、どのように考え、今治市と連携してどのように取り組んでいくのか。

【経済労働部長】

 獣医学部の新設は、慢性的に不足している公務員獣医師の安定確保や、学生や教員などの大学関係者の定住による経済波及効果のほか、新薬の開発等を行う先端ライフサイエンス企業等の県内集積や、本県ブランド畜産物の開発など、本県産業の振興につながることも期待されるところ。
 県では、特に、世界的に発展著しく、市場規模の大きい、医薬品や食品等を対象とするライフサイエンス産業は長期的に成長可能性の高い有望分野であると認識し、これまでも企業誘致のターゲットに位置付けてきたところであるが、獣医学部の新設により、ライフサイエンス産業の開発・研究の現場で活躍が見込まれる獣医療の専門知識と技術を持った人材供給が可能となることから、本県の強みとして優位性を持つことになると期待しているところ。
 既に今治市においても、ライフサイエンス関連産業の誘致に取り組む方針と聞いており、県としても、獣医学部新設を契機に、同市と緊密に連携して、卒業生の地元定着や、本県産業の振興、地域活性化につながるような企業や研究機関等の誘致に努力して参りたい。


問2 県立高校において、国際的に活躍できる能力・資質を持った人材の育成にどのように取り組んでいるのか。

【教育長】

 県内企業をはじめ我が国産業が、優れた技術力や品質を活かして激化する国際競争に打ち勝つためには、国際的に活躍できる担い手が不可欠であり、県立高校においても、日本人としてのアイデンティティと国際感覚を備え、英語によるコミュニケーション能力を発揮しながら、主体的に行動できるグローバル人材を育成することが重要と認識している。
 このため、県教育委員会では、スーパーグローバルハイスクールに指定された松山東高校や宇和島南中等教育学校をはじめ、今治北高校や西条高校等で、海外フィールドワークやスタディツアーの実施などにより、国際感覚の涵養に努めるほか、海外への留学や修学旅行の促進、台湾の学校との姉妹校提携や海外高校生の日本語スピーチコンテスト開催等による異文化の理解促進にも力を入れている。
 さらに、民間の語学検定試験の受験支援や英語教育推進校でのオンライン英会話学習の導入など実践的な英語能力向上に向けた特別対策事業等も積極的に推進しており、今後とも、本県高校生が、地域や日本に根差した国際的視野を持つ人材として、ふるさと愛媛と日本の発展に貢献できるよう、総合的な取組みを展開してまいりたい。


問3 えひめ結婚支援センターのこれまでの運営実績はどうか。また、今後どのような取組みを進めていくのか。

【知事】

 えひめ結婚支援センターでは、ビッグデータやITの活用と、ボランティアによるきめ細かなフォローアップを組み合わせた「愛媛方式」と呼ばれる独自のマッチングに加え、幅広い企業・団体の協力のもと、年間約240回に上る多彩な婚活イベントを展開し、センター開設後9年間で成立したカップルは11,826組、結婚報告は850組に達するなど、全国トップクラスの成果を上げており、各自治体からの視察が相次ぐほか、四国3県をはじめ13県でも同システムの導入が行われるなど、多方面から高い評価を得ているところ。
特に、今年度は、初めての取組みとして、20歳代の若手社会人を中心に、職域や業種の枠を超えた出会いの場を提供するため、先般、大規模な異業種交流イベントを開催し、県内36の企業・団体から約500名の参加を得たところであり、今後は、イベントの企画・運営を担った参加企業等の職員がリーダーとなり、少人数グループでの交流を継続することとしており、このような主体的な取組みが、結婚に向けた自然な流れにつながることを期待している。
 さらに、現在8市に設置している「愛結びコーナー」を、来年1月には12市町に拡充し、県内各地域で利用できるようにするほか、新たに、松山市内中心部にサテライトセンターを開設し、イベントや各種セミナーに関する情報発信に加え、若者の交流の場としての機能の強化を図ることとしており、今後とも、結婚支援センターを核に、市町や企業、団体等との連携のもと、様々な出会いの機会を提供することにより、若い世代はもとより、結婚を希望する方々の思いが実現できるよう、支援に取り組んで参りたい。


問4 今回の台風18号を含め、本県における近年の公共土木施設の被害状況はどうか。また、災害復旧対策にどのように取り組んでいくのか。

【土木部長】

 本県では、過去10年間の平均で229箇所、約21億円の公共土木施設の被害が発生しているが、今年は、その中で最大となる561箇所、約65億円にのぼっており、台風18号による被害が約8割を占めている。
 これらの復旧にあたっては、災害復旧制度を活用し、国の災害査定を受けて工事を実施するが、河川堤防が決壊した場合など、緊急な対応が必要な箇所では、査定を待たずに、発災直後から応急工事に着手している。
 また、大規模な災害の発生時にも迅速に対応できるよう、被災状況を調査するドローンの配備や、復旧工法の選定を支援する「公共土木施設応急復旧ガイドライン」を策定したほか、県や市町職員、さらには現場で復旧にあたる建設業者等を対象とした技術講習会の開催や、被災地の人員不足を補う災害応援チームの事前編成など、復旧のための体制を強化してきたところである。
 今後とも、災害を未然に防止するための防災・減災対策を着実に進めることはもとより、災害が発生した場合には、国や市町、関係団体と連携を図り、公共土木施設の早期復旧に努めて参りたい。


問5 えひめ国体・えひめ大会を終え、愛媛らしさあふれるおもてなしの成果をどう受け止めているのか。

【知事】

 えひめ国体・えひめ大会では、県内外から延べ79万人の参加をいただいた。期間中は松山空港やJR松山駅に総合案内所を設置し、来県者への情報提供や県産品のPR等を行ったほか、県内の大半の小中高校で「歓迎のぼり」や「装飾用の花」を作成、延べ8千人の小・中学生が都道府県応援団として開閉会式を盛り上げ、2万人近い県民の皆様にはボランティアとして活躍いただくなど、県民総参加の国体・大会となった。
 また、愛媛らしさ満載のおもてなしを実施するため、県総合運動公園に「みきゃん広場」を設置し、期間中約15万人と、昨年の岩手13万人、一昨年の和歌山8万人を大きく上回る人出で賑わったほか、各競技会場でも市町が主体となって地域色溢れる「おもてなし広場」を開設するなど、県産食材や物産、観光資源等をPRした。
 各競技会場では、多くの県民や5万人近い小・中学生が選手たちを応援、1700人の選手団サポートボランティアが選手たちと終始行動を共にするなど、各地で「愛顔」の触れ合いが見られた。さらに、5年ぶりの実施となった4市町での民泊においては、選手と地元住民が家族のように交流を深め合う光景も数多くあったと聞いている。愛媛ならではの「おもてなし」を実感していただけたことで、多くの愛媛ファン獲得や魅力発信につながるとともに、参加されたすべての方々の心に深く刻まれた国体・大会になったと思う。

2017年(平成29年度)3月3日定例県議会議事録

福羅浩一 一般質問、インターネット録画中継

問1

(1)農業振興基本方針に掲げた目標の達成に向けた取組状況はどうか。

【農林水産部長】

 えひめ農業振興基本方針2016では、農業の成長産業化と農村地域の活性化を両輪に、農業産出額1,200億円の維持を目指すほか、農業に対する負のイメージの払拭や多様な担い手の確保などに向けて、農林水産業体質強化基金も活用しながら、積極的にチャレンジする農政を展開している。
 これまでの主な取組状況としては、生産基盤の整備促進はもとより、「愛媛クィーンスプラッシュ」や「愛媛あかね和牛」などオリジナル産品のブランド化、機能性や地理的表示GIの活用、鳥獣害対策としてのジビエの振興など、生産力や販売力の強化に取り組んでいるほか、順調に増加している「愛顔の農林水産人」や「一次産業女子ネットワーク・さくらひめ」等を活用した本県農業の魅力発信にも努めている。
 また、今回の当初予算案では、JAが行う包括的な新規就農対策や畜産関連施設の整備支援など、担い手対策の充実を図るとともに、「さくらひめ」や「紅い雫」の生産拡大などにも取り組むこととしており、引き続き、市町や関係団体等と連携しながら、生産者の挑戦や努力が報われる「愛顔あふれるえひめ農業・農村の実現」に向けて、本県農業の更なる体質強化に取り組んでまいりたい。


(2)新規就農者数の増加と定着率向上を図るため、新規就農者の効果的な呼び込みと就農後のフォローアップの充実・強化にどのように取り組んでいくのか

【知事】

 農業従事者の大幅な減少と高齢化が進行する中、将来の愛媛農業を支える担い手の確保は極めて重要な課題であり、一人でも多くの新規就農者を確保するためには、次代を担う青少年や移住希望の都市生活者などに、本県農業の魅力を効果的に発信し、就農意欲を喚起していくことが必要と考える。
 このため、県ではこれまで、県内外での就農相談会や就農前後の技術研修、経営開始に必要な農業機械導入や小規模基盤整備等への助成など、掘り起こしから就農・定着に至る幅広い支援に加え、地域で活躍する「愛顔の農林水産人」の紹介や中学校での体験学習に取り組むほか、就農に係る「ワンストップWebサイト」の開設やワーキングホリデーの実施、日本農業遺産認定への取組等みを通じて、本県農業のイメージアップや地域ブランドの向上を図りながら、就農増加につなげるべく情報発信を強化しているところである。
 また、今回新たに、地域農業に最も精通するJA等の主体的な取組みを支援する事業を創設し、受入体制の充実や就農相談、技術研修に加え、就農後も安心して営農に取り組めるよう、農地や住居の斡旋、営農基盤の整備、経営安定までの収入確保など、きめ細かく包括的にサポートしながら、愛媛農業を支える新規就農者の確保に努めて参りたい。


問2 本県への更なる移住を促進し定着を図るため、今後、どのように取組みを強化していくのか。

【企画振興部長】

 本県では、県外からの移住を促進するため、移住コンシェルジュの配置や県単独フェアの開催、市町と連携した住宅改修支援に加え、移住者を企業がサポートする「えひめ暮らし応援隊」の創設など、情報発信から相談対応に始まり、就業・住まいの確保、確実な定着まで一連の施策を総合的に展開しており、今年度12月末までの移住者数は377人と、既に昨年度の274人を上回るなど着実な成果を上げている。
 来年度は新たに、移住者と受入地域が互いに理解を深め、移住後のミスマッチを防ぐため、受入先となる市町や地域と連携し、6泊7日の日程で移住希望者が、豊かな自然・文化・食に直接触れるとともに、農業体験や先輩移住者との交流などを通じて、仕事や住環境を含め具体的な生活イメージを体感してもらう「地域滞在型ツアー」を実施したいと考えており、当初予算案に所要の経費を計上しているところである。
 県としては、今後とも、市町はもとより企業や地域住民と一体となって受入態勢を一層強化しながら、県内紙おむつメーカーと協働で実施する「愛顔の子育て応援事業」など、本県の強みを生かした独自の取組みもアピールし、「オール愛媛」の体制で、戦略的かつきめ細かな移住施策を展開してまいりたい。


問3

(1)えひめ営業本部の本年度の活動実績はどうか。また、部局横断的な取組みを含め、今後どのような営業活動を展開していくのか。

【知事】

 営業本部の昨年12月末時点での県関与成約額は73億2,000万円で、今年度の目標額90億円に対する進捗率は約81%と、目標達成がほぼ確実な状況となっており、オール愛媛体制で意欲的に活動された県内の生産者や事業者、関係団体の取組みの成果であるとともに、今年度中に平成30年度の目標としている100億円、これを前倒しで達成する気概を持って、最後の追い込みに総力を結集したいと考えている。
 今後はフォロー営業に重点を置きながら、名古屋、札幌、仙台などでの販路拡大、海外ではターゲットを絞った活動を展開するとともに、6次産業化、農商工連携支援、試験研究機関による技術開発などを通した「売れる」商品づくりやブランド産品の安定供給体制の構築にも取り組むなど、営業本部の横串機能を発揮した対策を強力に推進したいと思う。
 また、経済情勢の先行き不透明感が増す中で、今後も安定した成果をあげるため、「オール愛媛」体制の強化を図るとともに、海外通販サイトの活用や卸売事業者との営業面での連携など、マンパワーのみに頼らない営業手法の確立を模索するほか、県内事業者等のさらなる意欲を喚起するなど、「補助エンジン」として、「実需の創出」による地域経済の活性化に全力で取り組む所存である。


(2)「さくらひめ」プロジェクトの狙いや事業の実施状況、今後の計画はどうか。

【営業本部長】

 このプロジェクトは、県が開発したご覧の「さくらひめ」の姿や名称が可憐で清々しい女性や日本を連想させ、古事記由来の県名を持つ本県にふさわしい呼称であることから、この良いイメージを活かしたものづくりや販売戦略を展開することで、商品と地域のイメージを共鳴させ、共に価値を高める「地域ブランド」の確立を目指すもの。
 今年度は、航空会社や著名な華道家との連携による花の魅力発信と大手花き販売業者への営業活動などを実施するとともに、ものづくりにおいては、20~40代の女性をターゲットに、愛媛ならではの真珠やタオルなどをベースに花からイメージされる11商品を開発し、首都圏の展示会に「さくらひめ」をコンセプトとしたブースを出展した。
 その結果、バイヤー等からブランドイメージを高く評価されるなど、確かな手ごたえがあったことから、今後は、商品ラインナップの充実、SNSでの情報発信や女性向けイベントへの出展などによるターゲット層への浸透と顧客の獲得に努め、「地域ブランド愛媛」の確立を図ることで実需の創出につなげてまいりたい。


問4 土砂災害から県民の生命を守ることを最優先としたソフト対策の現状や今後の取組みはどうか。

【土木部長】

 県では、広島市の土砂災害を教訓に、住民が早期避難できるよう、まずは、地域の土砂災害の危険性を認識して頂くため、土砂災害警戒区域等の指定に必要な基礎調査を31年度の完了に向け計画的に進めるとともに、危険性を周知するため、昨年度から調査結果を全戸に配付している。
 また、豪雨などの異常気象時において、住民の避難や市町が避難勧告等を発令する際の目安となる土砂災害警戒情報を松山地方気象台と共同で発表し、テレビや県のホームページ等を通じてお知らせするとともに、関係市町へは県から直接情報を伝えている。さらに、避難に時間を要する高齢者などの要配慮者も含めて、住民が円滑かつ迅速に避難できるよう、市町・消防などと共同で避難訓練を継続して実施している。
 29年度は、これまでの調査箇所と合わせ県内約1万5,000箇所の全ての土砂災害危険箇所で基礎調査に着手し、うち約8,000箇所の調査を完了させる他、市町が地区単位での避難勧告等を的確に発令できるよう支援したいと考えている。今後とも、ソフト対策の更なる充実を図るとともに、砂防堰堤などのハード対策も着実に進め、土砂災害に強い県土づくりを目指してまいりたい。


問5 私立幼稚園が質の高い幼児教育を提供していくには、優秀な人材の確保が必要であり、運営費補助金の充実を図るべきと考えるがどうか。

【保健福祉部長】

 幼児教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を築くとともに、健全な発達を促す上で、大きな役割を果たすものであり、本県の幼児教育の中核的な役割を担っている私立幼稚園の安定的な運営と優秀な人材の確保は、質の高い幼児教育を提供する上で、重要な課題と認識している。
 県ではこれまで、保護者の負担軽減等を図るため、私立幼稚園の運営費補助金について、国の補助単価に独自に上乗せ補助を行ってきたところであるが、国では、来年度から、私立幼稚園の教員確保に向けた新たな支援制度を設計しているところであり、県としても、その結果を踏まえ、運営費補助金の充実を図ることとしている。
 なお、現在、国会で継続審議中の「幼児教育振興法案」には、人材の確保や教育の質の向上に向けた施策が盛り込まれており、その動向を注視するとともに、すべての子どもに質の高い幼児教育を受ける機会が保障されるよう、幼児教育無償化の早期実現を、引き続き、全国知事会を通じて強く要望してまいりたい。


2016年(平成28年度)6月10日定例県議会議事録

福羅浩一 一般質問、インターネット録画中継

問1 今治工業高校では、国のスーパー・プロフェッショナル・ハイスクールの指定により、どのような取組みを行うのか。

【教育長】

 今年度、世界有数の海事都市である今治市に新設した今治工業高校の機械造船科は、基幹産業である造船業に夢を抱き、即戦力として求められる「確かな知識・実践的な技能・高度な技術」と「総合工学の視点」を身に付け、常に問題意識を持って仕事に取り組むことができる、「職業意識・倫理観」の高い専門的職業人の育成を目指している。
 このため、同校では、今回指定を受けたスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール事業を活用し、地元造船関連企業等で構成する「造船教育推進委員会」の協力を得て、現場技能を習得するための熟練技術者による実技指導、造船業界で働く卒業生との意見交換、海外勤務経験者とのグループワーク等を行うほか、大学・研究機関・企業等と連携して設計や開発について深く学ぶため、省エネ船開発試験設備の見学や、大学との連携講座の開設等に取り組むこととしている。
 県教育委員会としては、こうした学校と地域が一体となった、「地元で学び、地元で就職し、地域経済の発展に寄与する」いわゆる「地学地就(ちがくちしゅう)」による人材育成は、産業教育を核とした地域振興のモデルになるものと考えており、他の職業高校への普及展開を行うなど、今後とも、本県職業教育の更なる充実に努めてまいりたい。


問2 地域経済の活性化を図るため、地域産業の担い手となる人材の確保と育成にどのように取り組んでいくのか。

【経済労働部長】

県では、県内4つの高等技術専門校において、地元企業のニーズを踏まえた各種職業訓練を実施するとともに、県職業能力開発協会と連携した技能検定に努めているほか、ジョブカフェ愛workでは、中小企業における人材の採用・育成力向上のためのコンサルティングや、中高生向けのキャリア教育に活用できるスゴ技企業の紹介冊子の作成など、産業人材の確保・育成に取り組んでいるところ。
 また、人口減少や若年層の離職率の高止まり等による人手不足が懸念される中、今治地域の造船業では技能の高度化や生産性の向上が、また、東予地域の金属・機械加工業や松山地域の情報サービス業、県内の観光産業を担う宿泊・飲食サービス業では人材の定着率の向上が課題になっていることから、これら4つの産業分野について、新たに、初級や中級の技能レベルに応じた訓練プログラムの実施や技能評価システムの開発等のほか、造船分野では特に設計技術者の育成などに3か年計画で取り組むこととし、今回の補正予算に関連経費を計上している。
 今後とも、愛媛労働局をはじめ、市町や県内企業、経済団体や教育機関などと十分に連携・協力しながら、オール愛媛の体制により、地域産業の担い手となる産業人材の確保・育成に積極的に取り組んで参りたい。


問3

(1)県防災対策基本条例の改正及び熊本地震の教訓を踏まえ、本県の防災対策のうち、初動体制及び自助・共助について、今後どう取り組んでいくのか。

【知事】

大規模災害時における初動体制の構築は、救助活動や被害の軽減を図る上で、極めて重要であると認識していることから、県では、職員による宿日直や地方局・支局の近傍地への幹部職員の居住、災害時の職員行動計画や業務継続計画の策定など、順次即応体制の充実を図ってきたほか、災害対策本部オペレーションルームの整備や災害情報システムによる被害情報等の早期収集、防災関係機関との連携強化など、迅速で、的確な初動体制の構築に努めている。
 しかしながら、発災直後の初動段階において、「公助」を行き届けるには限界があることから、「自助」と「共助」を促進することが非常に重要であり、平常時から県民の防災意識を醸成し、積極的かつ主体的に行動できる組織や人材を育成しておくことが大切であると考えている。
 このため、県では、防災意識啓発講演やキャンペーン、「シェイクアウトえひめ」等の実施により自助の意識の醸成に努めるとともに、共助を促進するため、自主防災組織の活性化や、その活動の核となる防災士やえひめ防災インストラクターの養成に積極的に取り組むほか、今年度、新たに、地域防災リーダーの連携強化と交流を目的として、自主防災組織や防災士の代表者による連絡調整会の設立や県民が一堂に会しての「えひめ自助・共助推進大会」を開催するなど、共助を担う組織づくりや人材づくりを積極的に推進し、地域防災力の一層の向上を図ることとしている。
 県としては、今後も、県防災対策基本条例の理念や熊本地震の教訓等も踏まえ、市町や関係機関、企業等との連携のもと、「公助」の推進はもとより、「自助」「共助」の取り組みの充実強化に努め、「オール愛媛」で災害に強い愛媛づくりにまい進してまいりたい。


(2)ドクターヘリ導入に向けた準備状況はどうか。また、拠点整備を含め、運航開始に向けて、どのように取り組んでいくのか。

【保健福祉部長】

ドクターヘリは、今回の熊本地震でも、災害・救急医療における有効性が再認識されたところであり、本県では、平成29年2月までの運航開始に向け、本年4月に運航調整委員会を設置し、出動や搬送等に関する調整作業を行うとともに、ヘリ搭載用の医療機器の調達や基地病院となる県立中央病院の改修費等を今議会に予算計上し、これらの整備を進めることとしている。
 また、将来にわたって、ドクターヘリを安定的に運航するため、愛媛大学医学部等の協力を得ながら、搭乗医師等の確保育成を計画的に進め、県内三次救急医療体制の底上げを図ることとしており、ドクターヘリの導入を契機として、救急医療提供体制の一層の充実・強化に取り組んでまいりたい。
 なお、ドクターヘリの運航経費の財源については、補助率2分の1とされながら、これを含む国庫補助金総額が確約されていないほか、格納庫に係る経費等の補助対象外経費も発生するため、今後も、国の責任において、恒久的で柔軟性の高い財政支援制度を確立するよう強く要請していきたいと考えている。


問4 TPP協定の影響が懸念される本県の農林水産業に対して、今後どのような支援策を講じていくのか。

【知事】

TPP協定については、参加各国の国内事情等から発効時期は不透明であるが、本県の農林水産業への影響については、主要産品であり、関税の下げ幅が大きい畜産や柑橘への影響を懸念しているところであり、生産現場における将来に対する不安を払拭するとともに、これまで以上に、農林水産業の体質強化と競争力向上を進めていくことが重要と考えている。
 このため県では、2月補正予算で創設した「農林水産業体質強化緊急対策基金」を有効に活用し、高品質化や低コストにつながる生産基盤整備をはじめ、県オリジナルブランド産品の生産拡大、国内外への販売力強化など、本県独自の攻めの対策を講じるとともに、今回の補正予算においても、国のTPP対策予算も活用しながら、産地の収益力向上につながる施設整備や高収益作物等への改植支援のほか、加工用うんしゅうみかんの安定供給体制や「伊予の媛貴海」の高品質流通体制の構築等を支援する経費を計上し、取り組みを強化したところ。
 また、先月末の国への重要施策要望においては、私から直接、森山農林水産大臣に対し、果樹経営支援対策や畜産農家の経営安定対策の強化など、地域の実情に配慮した万全の対応を改めて強く要請したところであり、今後は、今秋を目途に取りまとめられる国の具体的なTPP対策を見極めるとともに、関係団体等とも連携しながら、県独自のきめ細かな支援に努め、愛顔あふれる農林水産業の実現に取り組んで参りたい。


問5 国が幼児教育の無償化に向けて取り組むことについての所感はどうか。また、幼児教育・保育の充実について、今後どのように取り組んでいくのか。

【保健福祉部長】

就学前の幼児教育は、人間形成の基礎を築き、調和のとれた発達を促す上で非常に重要なものであることから、全国知事会においても、国に対し、全ての子どもが、世帯の所得に関わらず等しく質の高い教育を受けられるよう、幼児教育の無償化に取り組むことを要請しているところ。
 本県としても、本年度から、低所得の世帯を中心に保育料の負担軽減が図られたことを一歩前進と評価するが、幼児教育の無償化を推進する「幼児教育振興法案」が先だって国会に提案されたことから、更なる教育の質の向上や恒常的な予算確保が担保され、最終的には全ての子どもの無償化が実現するよう、要望を継続していく所存。
 本県においては、幼児教育や保育の一層の充実・強化を図るため、これまで、私立幼稚園への独自の上乗せ助成や耐震化の促進をはじめ、市町のニーズに対応した認定こども園等の施設整備への支援のほか、幼稚園教諭・保育士の資質向上を図る階層別研修や低年齢児・障がい児に対応した専門研修などの人材育成に取り組んでおり、今後とも、市町や関係団体等との緊密な連携のもと、国の支援制度を最大限活用し、これらの取組みを着実に推進してまいりたい。


2015年(平成27年度)9月18日定例県議会議事録

問1 海上技術安全研究所の一部機能誘致に必要な条件をどう把握し、それに対しどう取り組むのか。また、今治市、企業等との連携や協力への取組みはどうか。

【知事】

 世界トップレベルの研究開発能力を有する「海上技術安全研究所」の今治市への一部機能の移転は、地元の造船業界にとって、先進的な造船関連技術の開発や建造の迅速化、国際競争力の強化などの面で多大な効果が期待されるとともに、関連産業全般の高付加価値化や地域の雇用拡大にもつながるものであり、「日本最大の海事都市」今治の特性と強みを活かした全国に誇れる地方創生のモデルケースになり得ると自負しているところ。
 「海技研」誘致の条件の詳細については、現時点で明らかになっていないが、県としては、まずは、国の意向を踏まえつつ、今治市と連携しながら、250mの曳航水槽や研究施設が立地可能な用地、職員の居住施設の選定を進めるとともに、国の研究機関としての機能を確保する観点から、地元造船業をはじめとした海事産業や周辺の大学等との産学官連携による、人材や設備面での研究環境の整備、地域産業への研究成果等を波及させる仕組みなどについて、具体的な検討を行いたいと考えている。
 「海技研」の一部移転の実現に向けては、今後、様々な条件が示されることが想定されるが、今治市や地元産業界等と密接に連携して、課題を一つずつクリアし、県選出国会議員の協力もいただきながら、移転の意義・メリットと地元の熱意を丁寧に訴えて参りたいと考えているので、県議会議員の皆様にも御理解と御支援をお願いしたい。


問2 今治工業高校への造船コース新設に当たっての教育環境整備や学習内容はどうか。また、地域や地元企業との連携にどのように取り組むのか。

【教育長】

 今治工業高校における造船コースの新設に当たっては、大学等の専門家や地元の造船業界の関係者から幅広く意見をお聞きするとともに、造船教育を行っている他県の県立高校を訪問して、学科の内容や設備状況を確認するなど、準備を進めてきたところ。
 こうした調査を踏まえて、造船教育実施に向けた環境整備としては、地方創生交付金も活用しつつ、校内に新たに、船舶模型製作等を行う実習棟や3次元コンピュータ製図システムを整備するとともに、担当教職員を養成するため、地域の造船会社や県外の高校での派遣研修を予定している。
 学習内容については、船の設計や建造に関する基礎的な知識に加え、鋼板を曲げる「ぎょう鉄」や溶接など即戦力として役立つ技能も身に付けられるよう検討を行っている。
 また、地域から求められる人材を育成するには、地元企業等との連携が不可欠であることから、「今治地域造船技術センターにおける実習」「地元企業が所有する回流水槽等の施設を活用した実験」「企業の熟練技術者等を招へいして行う実技指導等」により、地域に密着した教育を進め、地元造船業界で活躍できる有為な人材の育成に取り組んで参りたい。


問3 幼児教育について

(1)子ども・子育て支援新制度へ移行した県内の私立幼稚園の数と新制度のメリット、デメリットを含めた県の所見はどうか。

【保健福祉部長】

 私立幼稚園は、子ども・子育て支援新制度の施行前に、休園中の園を除き県内に98園あったが、その34%に当たる33園が新制度へ移行し、そのうち幼稚園のままの移行が14園、認定こども園への移行が19園となっている。
 新制度へ移行すると、施設型給付の対象となることから、国・県・市町からの財政支援が保障され、安定的な施設運営に資するというメリットがある一方で、制度が複雑で事業者の事務負担が増加するなどのデメリットがあると言われている。また、認定こども園に移行すると、保護者の就労状況が変わった場合でも子どもは園を継続利用でき、3歳からは教育・保育を一体的に受けられるため、特に教育・保育資源の少ない過疎地域では、保護者の多様なニーズに応えられるというメリットもある。
 県としては、こうしたメリット、デメリットを踏まえ、新制度への移行の選択は事業者において主体的に行われるものであると考えており、事業者の不安感を解消し適切な選択ができるよう、情報提供や個別相談を通じて、私立幼稚園の支援に取り組み、ひいては保護者の希望する教育・保育環境が確保されるよう努めてまいりたい。


(2)地域格差のない等しく質の高い幼児教育と保育の充実、利用者の希望に沿った提供にどのように取り組んでいくのか。

【保健福祉部長】

 就学前の乳幼児期は、人間形成の基礎が培われる非常に重要な時期であり、その時期に行われる幼児教育と保育の充実を図ることは非常に重要な課題と考えており、県では、「第2期えひめ・未来・子育てプラン」の基本目標の一つに「希望する幼児教育と保育が受けられるえひめ」を新たに掲げて取り組んでいるところ。
 質の高い幼児教育と保育の充実のためには、教育・保育に携わる人材の確保と質の向上を図ることが何よりも重要であり、幼稚園教諭・保育士の階層別研修や低年齢児・障害児など専門的な研修等の充実、地域の子育て支援事業に従事する子育て支援員の養成、また、有資格者の再就職支援などの潜在的人材活用等にも取り組むこととしている。
また、県としては、市町と連携し、多様な利用者ニーズや地域の実情に応じて、教育・保育双方の機会を確保し、病児保育や一時預かりなど多様な子育て支援事業を着実に推進するとともに、個別の子育て家庭のニーズに応じ、希望に沿った教育・保育施設や子育て支援事業を利用できるよう支援する「利用者支援」の取組みも普及させ、地域格差のない質の高いサービスが全県的に提供されるよう努めてまいりたい。


問4 「みきゃん」のゆるキャラグランプリでのグランプリ獲得に向けて、どのように取り組んでいくのか。

【知事】

 みきゃんのグランプリ獲得は、全国的に注目度の高いインターネット投票を通じて、本県の知名度向上や情報発信力の強化が図られるとともに、県民や愛媛ファンの皆さんが自ら投票に参加いただくことで、みきゃんがマスコットを務める「えひめ国体・えひめ大会」の機運醸成や、県産品の販売促進など県内経済活性化に繋がることから、その実現に向けて応援の輪を広げているところ。
これまでのところ、みきゃんは、県内外の企業・団体・学校等で結成された「愛媛&みきゃん応援団」を中心とした強力な声援のお陰で、激しい首位攻防戦を制して、得票数がブラインドされた今月16日までは、なんとか1位をキープしているが、強豪キャラクターの猛烈な追い上げもあり、グランプリ獲得のためには、県民の皆様はもとより、ゆるキャラファンにも広く応援をいただくことが重要と認識している。
このため、県民の皆様に対しては、応援団の協力の下、イベント等での呼びかけに加えて、具体的な投票方法を案内するなど、実際の行動に結び付く活動に重点的に取り組んでおり、今後、夏休み明けの県内大学生や県内企業等へのきめ細かな働きかけを通して、グランプリ獲得に向けての下支えを呼びかけていくこととしている。
一方、全国のゆるキャラファンに向けては、「楽しむ」という視点が欠かせないことから、みきゃんチャレンジビデオのYouTube配信をはじめ、携帯アプリ「みかん人倶楽部」やフェイスブックを活用し、みきゃんへの共感を呼び起こしており、今後一層、全国規模のゆるキャライベントや大都市圏でのイベントにみきゃんが積極的に参加して、新たなファン獲得に取り組みたいと考えている。
これからも私自身が先頭に立って、みきゃんへの応援を呼びかける所存であるが、県民の皆様には、みきゃんサポーターとして、楽しみながらグランプリに参加いただくとともに、こうして結集したパワーをさらに2年後の「えひめ国体・えひめ大会」へと繋げていきたいと考えているので、議員各位にも一層の御支援・御協力をお願いしたい。


問5 今後、県全体としてどのように交通事故抑止対策を推進していくのか。

【防災安全統括部長】

 県においては、県警や交通安全協会をはじめとする関係機関・団体と一体となって「交通安全県民総ぐるみ運動」を展開してきたところであるが、近年、交通事故の件数は減少する中で、死亡事故が増加傾向にあり、中でも高齢者が関係する事故が多くなるなど、誠に憂慮すべき事態となっている。
 このため、今年度の総ぐるみ運動の目標の一つに、高齢者交通死亡事故抑止を掲げ、高齢者自身に対する交通安全教育はもとより、全ての県民に高齢者の保護意識を醸成するため、各種キャンペーンや街頭活動にこれまで以上に積極的に取り組むなど、高齢者を交通事故の被害者にも加害者にもしないための交通事故抑止対策を更に推進することとしている。
また、自転車の安全利用においても、今後は高齢者を含めた全世代のヘルメット着用促進を図るとともに、自動車運転者にもシェア・ザ・ロードの実践を促す啓発に努めることとしており、引き続き、県警等との連携のもと、交通事故を抑止し、犠牲者を1人でも少なくするよう、全力で取り組んでまいりたい。


問6 しまなみ海道の自転車通行料金無料化の効果と、無料化継続に向けた取組みはどうか。

【土木部長】

 長年の懸案であった、しまなみ海道の自転車通行料金の無料化については、今治市や広島県等と連携して取組んだ結果、国や本四高速㈱の理解を得て、年度毎の期間限定ではあるが、平成26年7月から実施されているところ。
 無料化の効果としては、昨年度開催された「サイクリングしまなみ」などのイベントと相まって、魅力あふれるしまなみ海道が国内外から注目を集め、多くのサイクリストに訪れていただいた結果、昨年度は無料化前と比べ、レンタサイクルの貸出数が約1.4倍となり、その後も増加傾向にあることや、しまなみ海道沿線の博物館などの入込客数が大幅増となるなど、地域の観光振興や経済の活性化に貢献しているものと認識している。
しまなみ海道のにぎわいを定着させ、「サイクリストの聖地」として、名実ともに世界に誇れるものとするためには、自転車通行料金の無料化が必要不可欠であることから、県としては、広島県等と連携し、様々な効果をアピ-ルしながら、平成28年度以降も無料化が継続されるよう、国等に強く要望して参りたい。


2014年(平成25年度)3月5日定例県議会議事録

問1 しまなみ海道について

(1)しまなみ海道の自転車通行料金の無料化について、費用負担や実施時期を含め、今後どう取り組むのか。

【知事】

 しまなみ海道の自転車通行料金の無料化については、去る2月6日に、私と広島県知事が太田国土交通大臣を訪ね、地元負担を前提とした無料化の実現と、負担軽減への積極的な支援を要望し、大臣からは、昨年10月の国際サイクリングプレ大会を成功裏に終えた「地元の努力」を評価されたうえで、「無料化の実現に向け調整するよう、直ちに本州四国連絡高速道路株式会社(本四会社)に指示をする」との積極的な発言をその場でいただき、長年の懸案であった無料化に向け、大きく前進したことは、大変うれしく思っている。
 現在、本四会社と地元自治体において、負担額や負担割合等を含めた無料化の仕組みを具体的に検討しているところであるが、このうち地元負担については、景観に配慮しながら、しまなみ海道沿線に企業PRの広告看板を設置し、その広告料収入を負担の一部に充てるなど、民間からの支援をいただくことも検討している。
 また、無料化の実施時期については、今後、制度設計や事務手続きを経て、今年の夏休み前には是非とも実現したいと考えており、「瀬戸内しまのわ2014」の集客力アップや、最大のイベントである「国際サイクリング大会」の一層の盛り上がりにも繋げていきたいと思う。
 この無料化により、しまなみ海道が名実ともに世界に誇れる「サイクリストの聖地」として、益々魅力が高まるとともに、本県が推し進める「愛媛マルゴト自転車道構想」に弾みがつき、ひいては観光振興や地域の活性化にも大きく寄与することから、県としては、引き続き、広島県や関係機関と連携しながら、実現に向け、鋭意、取り組んでいきたいと思う。


(2)しまなみ海道を含む本四高速の新料金体系の実施見通しと、今後の利用促進に向けた取組みはどうか。

【土木部長】

 先月発表された本四高速を含む新たな高速道路の料金案は、昨年12月に国が公表した「新たな高速道路料金に関する基本方針」に沿ったものであり、県としては、予定どおり、4月1日からの実施に向け、手続きが進められているものと認識している。
 この新料金案では、本四高速は、全国料金プール制に編入され、全国から支援を受ける形となるが、今や全国高速道路ネットワークの一部となっていること、また、本四関係10府県市が長年に亘り出資を行ってきたこと、更には、近年、本四の交通量や収入が増加の傾向にあることなどを踏まえると、国民の理解は得られるものと考えている。
 県では、新料金体系のもと、これまで以上にしまなみ海道を利用していただく必要があると考えていることから、「瀬戸内しまのわ2014」や「国際サイクリング大会」を最大限に活用し、観光振興や地域活性化に努めるとともに、広島県をはじめ関係自治団体等と様々な分野で相互に連携・協力しながら、より一層の利用促進に向け、鋭意取り組んでまいりたい。


問2 地域活性化のためには高速通信網の整備とICTの有効活用が必要と考えるが、今後どう取り組むのか。

【企画振興部長】

 地域の格差や様々な課題を解決し、地域活性化を図るうえで、情報通信基盤の整備とICTの活用は有効な手段であることから、これまでも、県では、民間通信事業者による光ファイバーの整備を基本に、地元市町等の要望を踏まえ、国の支援制度を活用しながら超高速ブロードバンドの整備に努めてきたところであるが、ご指摘のとおり、山間部や島しょ部の一部では未だ整備がなされていない現状にある。
 このため、通信事業者や学識経験者、国・県・市町で構成する県ICT推進会議において、コスト低減が見込まれる無線通信基盤の整備を事業者に働きかけるとともに、市町に対しては、先進事例等を紹介し、ICTの積極的な活用を促しているところである。
 また、過疎地域のうち、ICTを活用した地域活性化のニーズが高い所を対象に、市町や地域おこし協力隊と連携しながら、生活、医療、産業等、その地域固有の課題の解決策を協議していくこととしており、今後ともこうした取組みを推進しながら、高速通信網の整備とICTの有効活用を積極的に図ってまいりたい。


問3 上島架橋及び九島架橋事業の進捗状況と今後の取組みはどうか。

【土木部長】

 県では、上島架橋及び九島架橋事業が、島民の生活の利便性向上や救急医療体制の充実、観光振興による地域活性化等に大きな効果を発揮することから、重要施策の一つと位置付け、積極的に推進しているところ。
 このたび、「ゆめしま海道」と命名された上島架橋の岩城橋については、今年度、国の補助事業を導入し、現在、現地測量や地質調査、橋梁本体の詳細設計を進めており、今後は、地元の協力を得ながら用地補償や工事を進め、平成33年度の完成を目指して取り組んでまいりたい。
 また、九島大橋については、宇和島市の要請を受けて県が施行しており、昨年度に発注した2基の橋脚工事は、2月末で進捗率約75%となっている。さらに、橋梁上部工の製作・架設工事についても、先月発注するなど事業は順調に進んでおり、市が施行している取付道路も含め、完成は平成27年度末を予定している。
 これら離島架橋事業については、多額の事業費が必要となるため、今後とも、県と地元市町が連携し、国に対して予算確保を強く要望するなど、事業が計画どおりに進捗するよう、引き続き全力で取り組んでまいりたい。

問4 新しい繊維産業技術センターを拠点として、今後、県内タオルや繊維産業の振興にどう取り組むのか。

【知事】

 今治のタオル産業は、ブランド化を目指した地域挙げての取組みが本物志向の顧客の支持を獲得し、長い低迷期から脱しつつあるが、産地復活への歩みを確実にするためには、消費者の心を掴む新商品の継続的な開発やそれを担う技術面での中核人材の育成、対外的な情報発信の強化が重要であり、今月28日にオープンする新繊維産業技術センターがその先導的役割を果たしていきたいと考えている。
 このため、新センターでは、国内唯一の繊維学部を持つ信州大学等の協力も得て、意欲あるタオル・繊維関連企業との産学官共同研究の充実を図り、高機能繊維などの新素材や消費者の感性に働きかけるデザイン手法等を活用した、付加価値の高いプライベートブランド商品の開発支援を強化するとともに、四国タオル工業組合等と連携し、新たに染色や機織・縫製分野の高度専門技術者の養成研修などを実施することとしている。
 また、情報発信を通じたタオル業界のイメージアップについても、新センターにおいて、広く県民を対象としたタオルづくり体験学習やエントランスを活用したロビー展を実施していきたいと思う。また、先般、東京で営業活動中に感じたことだが、現在、すご技データベースを一つのツールとして営業しているが、これに続く分野として、ものづくり分野の「すご技」に続いて、今治タオルや伝統工芸などの「すごモノ」データベース、さらには食のほうの営業をするときに必要となる「すご味」データベース、こういったものを作成していきたいと思っている。
 大都市圏におけるタオル等の販売協力店を、また新たに「えひめ逸品大使館」として認定する制度も立ち上げたいと考えており、これらの活用による情報発信や販路拡大も図る所存である。今後とも、県内のタオル・繊維産業の振興に向けて、新しい繊維産業技術センターが、技術支援はもとより人材育成や情報発信等の面で,拠点機能をしっかり果たせるよう、取り組んでまいりたい。

問5 国の地方交付税の算定見直しを受け、今後どう取り組むのか。

【総務部長】

 普通交付税の算定見直しは、合併を積極的に推進してきた本県の市町にとって、死活問題とも言うべき大変重要な問題であり、これまで、県議会の決議や県と市町による国への提言に加えて、長崎県や大分県など他の合併先進県とも緊密に連携して要望活動を行った結果、今回、総務省から平成26年度から5年程度の期間で、算定方法の見直しを行う方針が示されたところ。
 今後、議員お話のとおり、平成26年度から3カ年かけ「支所に要する経費」の見直しが行われ、平成27年度以降、「合併による面積拡大に伴い増加が見込まれる経費」や「離島を合併した団体の需要」の割増し、「交付税の算定に用いている標準団体の面積の拡大」が、順次、普通交付税の算定に反映される予定である。
 今回の見直しでは、本県の提言項目が取り入れられるなど一定の成果は得られたが、平成27年度以降に見直される支所以外の具体的な内容や措置額が、現時点では不明となっている。県としては、引き続き、情報収集に努めるとともに、今後、具体の制度設計が進められる中で、本県の合併市町の実態を反映した見直しが行われるよう、市町と連携し強く要請して参りたいので、議員各位におかれても、ご支援を賜りたい。

2013年(平成24年度)3月6日定例県議会議事録

【問1(1)】しまなみ海道を含む本四高速の全国共通料金導入に向けた検討の状況はどうか。

(答)中村知事
本四高速の出資金については、年額それまで53億円を支払ってきた。これをまたさらに期間が来たにもかかわらず10年延長するよう国が求めてきたわけであり、このことについては真正面から向き合ってきた。与党野党衆参問わず県選出の国会議員、県議会の各会派代表者からなる「チーム愛媛」で国に強く働きかけた結果、平成26年度から全国の高速道路並みの料金の導入を条件に、2年限定で約45億円減額した出資をすることを、国と合意した。
この合意に基づき国は、本四を含む今後の高速道路の料金制度について、建設債務の償還期間の延長などを視野に入れ、全国の自治体や経済界などの意見も踏まえながら検討を進めており、約束の今年度末を目途に具体的な実施方針を取りまとめるべく、これまでに5回「国土幹線道路部会」を開催しているところである。
一方、本県をはじめ関係府県市は、約束した出資金を滞りなく支払うことで、今年度末までの実施方針の取りまとめを国に対して促していくとともに、昨日も国に対し、平成26年度からの全国共通料金の確実な導入を要請したところである。
今後も部会の動向を注視するとともに、国が関係府県市との合意を確実に実行するよう、時宜を逸することなく、強く要請してまいりたい。

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【問1(2)】本四高速の通行料金低減の影響が見込まれる中で、今後、公共交通機関に対し、どのような維持・活性化に取り組んでいくのか。

(答)横田企画振興部長
本県の公共交通は、これまでの高速道路料金施策等により大変厳しい環境に置かれており、とりわけフェリーについては、これまでに多くの航路が廃止されたが、更に、平成26年度からは本四高速料金の引下げが予定されており、一層深刻な状況が懸念され、現在ある航路の維持・確保が喫緊の課題となっている。
このため、県では、来年度から、航路事業者等と協調して、本県発着のフェリーの利用促進につながるキャンペーンを実施するとともに、航路就航先にキャラバン隊を派遣し、観光PRや物流事業者へのフェリー利用の働きかけを行いたいと考えており、例えば、南九州と京阪神間での移動では、陸路に比べフェリーを利用して本県を経由した方が、移動距離が大幅に短縮され、運転手の負担も軽減できるといったフェリーの優位性も具体的にPRし、利用促進に取り組んでいくこととしている。
さらに今後は、福羅議員お話のとおり、観光客による公共交通機関の利用拡大をしていくことが重要であることから、サイクリングを楽しむ観光客がフェリー等に自転車を乗せる場合に料金を割引する「せとうちサイクルーズPASS」制度の拡充を働きかけるなど、観光振興と連携した公共交通の活性化に努めるとともに、併せて、国に対しフェリー航路等公共交通の維持・確保に向けた支援を引き続き要望していきたい。

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【問1(3)】しまなみ海道の自転車通行料金の無料化に、今後どのように取り組んでいくのか。

(答)中村知事
県では、サイクリストの聖地として、国内外から注目を集めつつあるしまなみ海道に、多くのサイクリストや観光客を呼び込み、地域の活性化につなげていくためには、利用者からの要望も強い、自転車通行料金の無料化が不可欠であると考えている。昨年春に期間限定で料金の無料化が実施された際には、沿線観光施設の入込客数やレンタサイクルの増加に実際に結びつくなど、その経済効果は非常に大きいことから、県では、本年10月20日に開催される瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリングプレ大会や、県下全域でサイクリングロードを整備する「愛媛マルゴト自転車道」を展開することにより、本県への観光客が増加し、ひいては、しまなみ海道の自動車料金収入の増大に寄与することを、国や本四高速にアピールし、無料化に繋げていきたいと考えている。今後とも、これら全県的な取組みを国に強く訴えながら、平成26年度の瀬戸内しま博覧会(仮称)のメインイベントとなる国際サイクリング大会までには、恒久的な無料化が実現できるよう、広島県や関係市町と連携して取り組んでいきたい。

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【問2(1)】関係機関が連携して、松山空港を活用した本県農林水産物のPRに取り組んではどうか。

(答)高木農林水産部長
松山空港では、これまでも松山空港ビル㈱が加工販売業者等と連携して食関連のフェア、真珠・タオル等の物産販売、市町別の特産品フェアなど、年間約100回のイベントを開催するほか、松山空港利用促進協議会が「ポンジュース蛇口」による無料試飲イベントを実施し、多くの方々に柑橘王国・愛媛を広くPRしているところである。
県としても、年間約220万人もの方々が利用する松山空港は、福羅議員お話のとおり、愛媛が誇る農林水産物を国内外にアピールする場として非常に魅力的で、高い宣伝効果が見込まれることから、松山空港ビルや生産・加工団体、市町等に働きかけ、これまで行ってきたイベントの拡充・強化や、ディスプレイ・パネル等の効果的な広告媒体の導入に努めたいと考えている。
また、例えば、旬の最高級柑橘や「愛」あるブランド産品、愛育フィッシュ等を展示・紹介・即売するコーナーの設置など、松山空港を活用した県産農林水産物PRのための新たな方策についても、今後、費用対効果の検証や、関係機関との協議を行いながら、前向きに検討してまいりたい。

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【問2(2)】松山空港においても親しみやすい愛称と、空港内でのユニークなイベントを検討してはどうか。

(答)横田企画振興部長
松山空港は、ビジネスでの利用はもとより、観光振興による本県の活性化を図っていく上で、欠かすことのできない重要な交通拠点であると認識しており、県では、これまでも関係機関等と連携しながら、定期航空路線の維持・拡充やチャーター便の運航などに取り組み、空港の利便性の向上と利用促進に努めてきたところである。
さらに、空港の魅力を高めるため、「ポンジュース蛇口」の設置をはじめ愛媛の魅力をPRする情報発信イベントや太鼓台、だんじり、牛鬼の展示など愛媛らしい演出のほか、特産品等の物販フェアを年間で約100回にわたり開催しているところであり、今後とも空港を訪れた方々に愛媛らしさを感じていただき、楽しく何度でも利用していただけるような地域色豊かなイベントを展開できるよう、関係機関とも連携しながら取り組んでいきたい。
なお、お話の松山空港の愛称については、まずは、県内の機運の盛り上がりが重要であり、また、ターミナルビルの各種表示や空港会社のシステムの変更等に多額の費用を要することから、今後の研究課題とさせていただきたい。

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【問3】県産材の需要拡大戦略として、原木の安定供給や国内外での販路拡大に、今後どのように取り組んでいくのか。

(答)上甲副知事
本県の豊富な森林資源を活かし、林業・木材産業を地域の成長産業として育成するためには、福羅議員お話のとおり、県産ブランド材の生産に欠かせない原木の安定供給と、国内外への積極的な市場開拓による販路拡大を戦略的に進めていくことが、何よりも重要であると認識している。
このため、県では、原木の安定供給について、えひめ森林・林業振興プランに基づき、施業集約化や路網整備、高性能林業機械の導入等を通じた計画的な間伐を推進し、良質な原木の増産を図るとともに、今回の当初予算において、昨年のような木材価格が暴落する事態を回避できるよう、例えば、原木市場における競り売り中心の販売形態から、森林組合等の生産者と製材工場等の需要者による契約販売へ転換するなど、新たな流通システムの導入支援に取り組むこととしている。
また、販路拡大についても、JAS材生産による品質向上や、梁・桁などの新商品開発を図りながら、知事によるトップセールスや商談会の開催など、首都圏をはじめとする大都市圏への販売促進活動を一層強化するほか、新たに県単事業として、中国等への県産材の輸出を目指した営業活動や、輸出にチャレンジする企業への支援を行うこととしている。
今後も、国内外の需要動向を的確にとらえ、林業・木材業界と連携を密にしながら、本県が誇る「媛すぎ・媛ひのき」のブランド力の強化や、県産材の一層の需要拡大に努めてまいりたい。

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【問4(1)】医療機関や断酒会等との連携を強化し、予防のための啓発活動も含めたアルコール依存症の相談窓口の充実を図るべきと考えるがどうか。

(答)神野保健福祉部長
県では、アルコールと健康に関する正しい知識の普及を図りながら、アルコール依存症に対しては、心と体の健康センターと保健所で電話等による相談に応じるとともに、医療機関と連携しての訪問指導や、県・市町の保健師等を対象とする支援技術向上のための研修などを実施しており、市町においても、保健センター等での相談に加え、講演会による啓発などを行っているところである。
また、アルコール依存症からの回復には、参加者同士が自己の経験を語ることで断酒の継続を実践する断酒会活動など、自助グループによる粘り強い取組みが重要で効果的と認識しており、県への相談者には最寄りの断酒会を紹介するなど、連携して対応している。
今後も、治療にあたる医療機関や断酒会等との連携を強化しながら、過度の飲酒が、生活習慣病、うつ病といった様々な疾患の要因になることなどの啓発など、予防のための活動を展開するとともに、市町の対応能力向上の支援や、相談窓口に関する広報等を充実させることで、早期対応に結び付くよう努めてまいりたい。

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【問4(2)】飲酒運転検挙者に対する、アルコール依存症の受診及び治療へのアドバイス並びに講習等に、より一層取り組んでいくべきと考えるがどうか。

(答)高木警察本部長
ここ数年、県内で運転免許取消処分を受けた者のうち、その約6割が飲酒運転違反者であるという状況が続いており、飲酒運転違反者に対するその改善のための対策は重要な課題と認識している。警察では、飲酒運転違反により、運転免許の停止あるいは取消しの処分を受けた者に対する講習においては、飲酒行動の改善を目指す特別のカリキュラムを実施している。
具体的には、
・飲酒が運転に与える影響を擬似体験により理解させるため、運転シミュレーターや飲酒体験ゴーグルを活用する
・飲酒運転の被害者遺族の手記を題材として、飲酒運転が招く結果の重大性を認識させる
・アルコール依存症のスクリーニングテストにより、自分の飲酒行動の問題点を自覚させた上、カウンセリングを行う
・断酒会や依存症に悩む家族を支援する会の方による講演により、受診・治療など対処方法を理解させる
など、教育内容の充実に努めているところである。
県警としては、こうした効果的な教育に努めるとともに、厳正な取締りを推進し、飲酒運転の根絶に向けて取り組んでいく。

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【問5(1)】いじめや体罰問題のない学校のみを評価するのではなく、発生した問題にどのように対処したかも評価されるべきと考えるがどうか。

(答)仙波教育長
いじめや体罰は、児童生徒の心身の健全な発達に重大な影響を及ぼすだけでなく、尊い命が絶たれる痛ましい事件にも発展するなど、その対策は、社会全体の喫緊の課題であり、本県でも、重要課題として様々な取組みを進めている。
しかしながら、学校現場においては、これまで、ともすればいじめや体罰がないことを持って良しとする風潮があったのではないかと推測され、今後は、痛ましい事件を未然に防止するためにも、これまで以上に早期に事案を発見し、速やかに解決に向けた対応を進めていくことを重視する必要があると考えている。
このため、昨年12月に市町教育委員会及び県立学校に対し、学校評価や教員評価にあたっては、いじめの有無やその多寡だけでなく、問題を隠さず、いかに迅速かつ適切に対応しているか、また、組織的な取組みができているか等を評価するよう指導したところである。また、体罰については、もとよりあってはならないが、万が一問題が発生した場合には、いじめと同様の姿勢で、早期発見・早期解決を図るよう更なる指導に努めていきたい。
また併せて、いじめ対策アドバイザーの設置や警察等関係機関との連携により、個人情報には十分配慮しながら、可能な限りオープンにして問題対応に当たるとともに、学校評議員やPTA等の声を積極的に反映するなどして、開かれた学校運営に取り組んでまいりたい。

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【問5(2)】「道徳の教科化」について、県教育委員会の所見はどうか。

(答)仙波教育長
東日本大震災で日本人が示した落ち着いた行動や礼儀正しさなどの道徳性は世界から賞賛されたが、一方では、若者の規範意識の低下やいじめの悪質化などの問題が指摘されており、他者への思いやりや規範意識などを育む道徳教育の役割は大きく、更なる充実が求められていると認識している。
これまで道徳教育については、全国的には、学校や教員により指導する内容や方法等に差が見られるなどの批判があったが、教科化が実現すれば、教材の抜本的な充実や効果的な指導方法等の開発、全学校での授業時数の確保、教員の道徳教育に対する意識向上などが図られるほか、学校と家庭・地域が連携した道徳教育が一層推進されるものと期待している。
しかし一方で、教科に位置付けるにあたっては、福羅議員ご指摘のあった成績評価の方法や教員が所有すべき免許など、検討すべき課題も残っているのではないかと考えており、教科化実現に向けた国の動向を注視しながら、全国都道府県教育委員会連合会などの場で研究協議を行い、実際に道徳の授業を担っている学校現場の声を国に対して十分に届けてまいりたい。

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2012年(平成23年度)3月6日定例県議会議事録

【問1】「本四高速の料金等に関する調整会議」の結果をどう捉えているか。また、国との合意に向け、どう取り組むのか。

(答)井上土木部長
「本四高速の料金等に関する調整会議」において、平成24、25年度の2年間に限り出資を継続することを前提として、しまなみ海道の通行料金が大幅に引き下げられる見通しとなったことは、大きく前進したものと評価をしている。 平成26年度からしまなみ海道に全国共通料金が導入されれば、割高となっている料金が結果的に引き下げられ、島しょ部住民の生活道路としての利便性の向上や地域振興はもとより、今まで以上に中国、関西地域等との広域的な交流連携が活発化し、大きな経済波及効果が期待できると認識している。 しかしながら、一方で本県の厳しい財政事情も踏まえると、2年間限定とはいえ、新たな出資が現行の53億円のままでは、本県にとって極めて大きな負担であることから、出資金のできる限りの減額に向けて、現在、チーム愛媛で国や関係府県市との調整に全力で取り組んでいる。議員をはじめ、関係各位の引き続きのご支援とご協力をお願いしたい。

 

【問2(1)】知事は、ジャイアント社との連携を含め、どのようなサイクリングイベントを目指すのか。

(答)中村知事
今治地域の活性化は、しまなみ海道の活用が、特に観光面では非常に大きなポテンシャルを持っているのではないかと思う。それをさらに磨くためには、かつての松山市長時代の「しまはく」の体験を生かして、それを拡大して「大・島博覧会」につなげていくというのも一つの選択肢ではないだろうか。そして3本の架橋の中で、唯一、自転車で渡れるという強みを生かして、これを前面に押し出すというのも一つの道筋ではないだろうか。そこにジャイアントを組み合わせていくと、すばらしい取組みが開けていくのではないかというふうな、そんな経緯でサイクリングイベントに向けて広げていった背景がある。 ジャイアント社が、もし仮に「大・島博覧会」を通じて世界のアマチュアサイクリストが集う「世界的規模のサイクリングイベント」を展開しようとした場合、旅行会社も持っており、世界最大の自転車メーカーとしてのネットワークも持っているため、そのネットワークを活用して、多くの世界中の方々に呼びかけが可能になる、と考えた。 まだ現時点では構想段階であるが、例えば何年かに一度は、しまなみ海道の道路が開放されて、世界中のアマチュアサイクリストが集う祭典が定期的に開催されるなど、そういう目玉のイベントが常態化すると、世界のサイクリストのメッカという位置付けに、十分なり得る景観とコースを持っているのが、しまなみ海道であると確信をしている。 しまなみ海道の「サイクリストのメッカ」としての位置付けが、もしでき上がったとするならば、これを起点に愛媛県のいろんなエリアで、サイクリングコースというものが整備され、それらがリンクすることによって、日本中の方々から愛媛県というのはまさにサイクリストにとっての垂涎の的のような地域であるという位置付けに更にバージョンアップができるんではないかと思う。 是非この気運というものを一層醸成していけることができたらと思うし、そのためにも地元の皆さんがその価値に気付いて、自信を持って力を注いでいくということが、必須条件だと考える。議員各位のご協力と、今治市全体が力を合わせて前進させていただくことを心からお願いしたい。

 

【問2(2)】プレイベント実施により問題点を明らかにし、サイクリングイベント本番に備えるべきと考えるがどうか。

(答)東倉経済労働部長
世界的サイクリングイベントを円滑に開催するためには、様々な課題をクリアし、万全な体制で運営する必要があるため、まずは「プレイベント」を開催し、本イベントに臨むことは有効な手法であると考えている。 このため、本イベント開催の前年度を目途に、例えば、来島海峡大橋をコースとする走行会などのプレイベントを実施したいと考えており、地元サイクリング関係者等が参加する勉強会での議論も踏まえ、交通規制や安全対策をはじめ、周辺住民や高速道路利用者に対する交通代替手段の確保、救急・災害時の対応やイベントの事前告知、サイクルトレインをはじめとする参加者への便宜、受付会場やスタート会場までのスムーズな誘導、さらには、広範囲にわたる宿泊施設の確保など、様々な課題の検証を行うとともに、更なる気運の醸成も図りながら、サイクリストの聖地にふさわしいイベントの成功につなげていきたい。

 

【問3】被災地学校修学旅行支援事業の成果はどうか。また、今後、どのように取り組むのか。

(答)中村知事
これまでに、10校、約1,000名を超える高校生が、本県の修学旅行を無事終了した。これまで来県した各学校は、しまなみ海道でのサイクリングや潮流体験、砥部焼、みかん狩り体験、本県ならではの体験学習を織り交ぜながら、東・中・南予各地で、いろいろな愛媛の産業・文化・歴史などに触れ、本県の魅力を満喫いただけたと思う。 この事業の最大の特徴は、本県の約30校の高校の協力のもと、来県した全ての学校が県内校との交流を行っていただけるところにあり、先生や生徒からの感謝のメッセージも県に数多く届いている。 同じ時代を生きる若者同士が、「確かな絆」で結ばれていっていることを実感するとともに、プログラムを企画し交流した本県の高校生にとっても、人を支えることの尊さを学ぶ貴重な機会になり、助け合い、支え合う笑顔と友情が芽生えたことは、何物にも代え難い成果でなかったかと感じている。 来県した学校からは、また愛媛に是非今年も訪れたいという声も寄せられているため、本事業は、来年度も継続実施をさせていただきたい。今年度と同様に、県内滞在中、多くの生徒さんの笑顔に接することができるよう、県民の皆さんと一緒に、おもてなしの心でお迎えするとともに、来県希望校に対して、県内の学校・地域との交流や、魅力ある観光資源の見学などの様々なプログラムを提案しながら、学校同士の末永い交流はもとより、愛媛と被災地の絆が更に深まるよう、精一杯取り組んでまいりたい。

 

【問4】全国障害者スポーツ大会で実施される団体競技の県下の活動の現状はどうか。また、チームの育成にどう取り組むのか。

(答)仙波保健福祉部長
全国障害者スポーツ大会の団体競技は、身体・知的・精神の障害種別や男女の区分により、7競技12種目が実施されている。本県の活動状況は、グランドソフトボールをはじめ、車椅子バスケットボール、知的障害者のソフトボール、精神障害者のバレーボールの4種目については、毎年全国大会を目指して日頃から活発に活動をしているが、知的障害者の男子バスケットボールなど4種目については活動が低調である。また、フットベースボールなど4種目はチーム自体が結成をされていない。 大会では、開催県は予選なしに全ての団体競技に出場できるため、本県としても全競技種目への出場を目指すべきと考えている。今後、特別支援学校などの教育機関や障害者施設・障害当事者団体・障害者スポーツ団体等と連携、協力しながら、競技チームの立ち上げを促進するとともに、選手の育成強化や指導員、審判員の養成に計画的に取り組みたい。 なお、この大会は、約5,000人のボランティアをはじめ、県民の積極的な参加と協力がなければ開催が困難であるため、今後、障害者関係団体はもとより、広く市町やスポーツ・教育・産業・経済関係団体等の参加を得て、準備委員会や実行委員会を順次設置するとともに、国体と連携して積極的な広報活動に取り組み、県民総参加の大会となるよう開催気運の盛り上げを図ってまいりたい。

 

【問5】次期離島振興法の内容はどうか。また、県は、法改正・延長の実現に向けてどう取り組むのか。

(答)横田企画振興部長
多くの有人離島を持つ本県にとって、離島振興は県政の重要な課題の一つであり、これまでも上島架橋や上下水道などの生活環境等の整備に取り組んできたが、離島の現状は、人口減少や高齢化、産業の衰退など、今なお深刻であり、島民が安心して住み続けられる環境を整えるとともに、移住や交流活動を促進し地域の活力を再生させることが今後の大きな課題であると認識している。 このような中、次期離島振興法については、現在、今国会に上程すべく協議が進められているが、その内容は、10年間の期限延長を図るとともに、国の責務を新たに明記するほか、これまでのハード中心の施策に加え、定住促進に資するソフト施策の充実を盛り込むなど、時代の流れを踏まえたものに改正する方向であると聞いている。 このため、県としては、これまでも重要施策要望や四国知事会の提言、また、関係都道県で組織する離島振興対策協議会の活動を通じて、国会議員や政府に対し法律の改正・延長を積極的に働き掛けてきた。平成24年2月23日にも、離島関係自治体4団体共催による総決起大会を東京で開催し、多数の国会議員出席のもと、法律の成立を強く訴えたところであり、次期離島振興法が政局に左右されることなく、早期に成立されるよう今後も引き続き国会及び政府に対し強力に働き掛けてまいりたい。




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