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2011年(平成22年度)6月28日定例県議会議事録

1 東日本大震災を踏まえた本県の防災対策について

(1) 災害ボランティアの受入体制を今後どのように整備していくのか。

(保健福祉部長)
 災害ボランティアは、被災地の支援に大きな役割を果たしているが、その活動が効果的に行われるためには、ボランティアの受入体制を迅速に立ち上げ、円滑に運営できるよう、平常時から被災時の初動体制を確立しておく必要がある。  本県においては、平成7年の阪神・淡路大震災を契機として、被災時に機動的に、県及び市町社会福祉協議会に災害ボランティアセンターを設置し、県内外からのボランティアを円滑に受け入れる仕組みを構築するとともに、平成16年の豪雨災害を教訓に、センター立上げ時の初期費用を支援する災害ボランティアファンドの創設、ボランティアと被災者ニーズを結びつけるコーディネーターの養成、関係機関・団体等の連絡調整や情報交換を行う「災害ボランティアネットワーク会議」の設置など、センター機能の拡充・強化を図ってきたところである。  しかしながら、今回の震災では、自治体そのものが壊滅的な被害を受け、災害ボランティアセンターが十分に機能しなかったとの報告もあることから、今後、本県から被災地に派遣されたボランティアやコーディネーター等の意見も参考に、改めて問題点等を検証したうえで、ボランティアの力が存分に発揮できる受入体制の確立・強化に努めて参りたい。

(2)大津波にも対応できる避難所や避難計画の見直しにどう取り組んでいくのか。

(県民環境部長)
 東日本大震災において、避難路や避難経路等の違いが被災者の生死を分けたとの報道がなされており、津波から人命を守るためには、迅速な避難と安全な避難所の確保が大切であると認識している。  南海地震が発生した際、大きな津波被害が心配されている宇和海沿岸地域では、既に避難所を指定するとともに、避難対象地域や避難経路、避難勧告基準などを定めているが、今回の東日本大震災を踏まえると、県内全域にわたって点検、見直しを行う必要があるのではないかと考えている。  そのため、県としては、専門家を加えた検討会を設置して、宇和海沿岸において避難所等の実地検証を行い、課題の洗い出しや必要な対策を検討するとともに、その結果を、成果報告会を行うなどして、広く県内全域に波及させ、避難所や避難計画の見直しにつなげて参りたい。

 

2 防災においても必要である岩城橋の着工に向け、今後どう取り組んでいくのか。

(知 事)
  本年2月に開通した生名橋の自動車交通量は、当初予想していた約500台を大きく上回る、1日当たり約1,050台、また、弓削大橋が開通前と比べて約700台増加の約1,600台となるなど、早速、架橋効果が表れており、県としても大変うれしく思っている。   残る岩城橋の建設は、上島町の地域活性化や行政効率化を推進するために必要であり、また、議員ご指摘のとおり、上島架橋は、東日本大震災のような大災害時には、一刻を争う救急活動や町内4島の相互支援のためにも不可欠な道路であると考えている。 このため、今年度から、県単独調査費で、岩城橋の地質調査や予備設計などの基礎調査に着手したところであり、早ければ来年度中には、補助事業化の前提となる橋の形式や規模などを決定できるよう、着実に進めていきたいと思っている。 なお、厳しい財政状況に加え、震災復興など、先行きが不透明な状況が続くため、岩城橋着工の前提ともなる離島事業の別枠的予算の確保について、国に対し、今後も引き続き、あらゆる機会をとらえて強く要望して参りたい。

 

3 しまなみ海道について

(1)島民割引の導入についてどう考え、どう取り組んでいくのか。

(土木部長)
 しまなみ海道を含む本四道路の通行料金については、従来から他の高速道路に比べ極めて割高に設定されていることから、これまで機会あるごとに国等に対して、料金引下げを強く働きかけてきたところである。  特に、しまなみ海道については、議員ご指摘のとおり、沿線島内住民にとって、重要な生活道路になっていることから、国への重要要望や広島・愛媛交流会議のアピ-ル等において、沿線島内住民に対し通行料金を割り引く支援措置を講ずるよう求めてきたところである。  しかしながら、6月19日を以って「休日上限千円」が廃止となる中、今のところ、各種時間帯割引は継続されることとなっているが、今後、これら時間帯割引も廃止されることになれば、沿線島内住民の日常生活に大きな影響が生じるものと考えている。  このため、県としては、今後の高速道路施策に関する国の動向も注視しながら、広島県等とも連携し、まずは、時間帯割引を堅持するとともに、競合する公共交通機関への配慮と併せて、引き続き沿線島内住民への料金割引支援を強く訴えて参りたい。

(2)休日上限1,000円の終了に伴う沿線地域の観光客の減少に対し、今後どう取り組むのか。

(経済労働部長)
 議員お話のとおり、高速道路の休日上限制度は、しまなみ海道沿線地域の観光振興に大きく寄与してきたことから、今回の同制度の終了に伴う入込客の落ち込みが懸念されるところである。  このような中、本年3月に策定した県観光振興基本計画では、高速道路料金など交通利用環境の変化も見据えたうえで、情報発信力の強化や広域連携の推進、魅力ある観光資源の開発等に努めることとしており、現在、テーマ性のある広域観光ルートづくりや体験型観光を組み入れた旅行商品の造成、修学旅行誘致等に積極的に取り組んでいるところである。  また、しまなみ海道沿線地域を観光振興の重要ゾーンと位置付け、サイクリングやウォーキングのイベント開催をはじめ、多島美を満喫できる”しまなみの船旅”やグリーンツーリズムを促進するとともに、将来的には、しまなみ海道を中心に「大・島博覧会」を開催したいと考えており、現在、広島県や地元市町と協議を始めたところである。  引き続き、休日上限制度終了後の沿線地域の観光客への影響を最小限に止めるべく、国内外からの誘客促進に積極的に取り組んでまいりたい。

 

4 地域医療について
(1)新しい地域医療再生計画の内容と、計画の具体化に向けた取組みはどうか。

(知 事)
 新たな地域医療再生計画は、県全体の広域的な医療提供体制の整備拡充を図るもので、本県においては、医療関係者・市町などへの提案募集や県保健医療対策協議会での審議、パブリックコメント等を経て計画の取りまとめを行い、6月10日に国へ提出したところ。  計画では、全県的な医療課題を踏まえて5本の施策の柱を設定し、19事業を盛り込んでおり、具体的には、三次救急病院の機能強化を最重要課題と位置付け、県内3箇所の救命救急センターの設備整備等に基金を重点配分するとともに、県議会の総意で制定された「がん対策推進条例」に沿って、在宅緩和ケアの充実や患者家族への支援の強化を図るほか、医療圏単位の診療ネットワークの構築にも取り組むこととしている。  また、地域医療を支える人材を育成・確保するため、県医師会や看護協会などとの連携・協力のもと、医師不足の医療機関に対する医師派遣システムの構築や看護職員の資質向上等に取り組むこととしている。  さらに、今回の東日本大震災において重要性が再認識された災害医療体制の強化についても、東南海・南海地震等を想定した災害拠点病院や災害派遣医療チームの機能強化に必要な設備等の整備を盛り込んでいるところ。  今後は、スケジュール的には、国の有識者会議の審査を経て、9月上旬頃に交付決定が行われ、年度後半から、順次、事業に着手する予定であるが、県保健医療対策協議会において適宜事業評価を実施することにより計画の効果的な推進を図り、誰もが安心して医療を受けることのできる社会づくりに努めてまいりたい。

(2)へき地医療の支援対策にどのように取り組んでいるのか。

(保健福祉部長)
 交通条件に恵まれない中山間地域や数多くの離島を抱える本県にとって、へき地医療は、医療政策上の重要な課題であり、県では、へき地診療所に対し、自治医科大学卒業医師の配置をはじめ、運営費や医療機器整備への補助など、各種支援に取り組んでいる。  また、へき地医療支援機構を設置して、へき地医療拠点病院である県内11か所の主要公立病院からへき地診療所へ代診医を派遣するなど、へき地医療を広域的に支援していく体制の確保に努めている。さらに、へき地での救急搬送に対応するため消防防災ヘリのドクターヘリ的運用を行っているほか、島しょ部の巡回診療船済生丸に対して、運営費補助に加え、近く予定される新船の建造に当っても助成を行うことを検討している。しかしながら、全国的な医師の不足や地域偏在により、へき地医療拠点病院でも医師不足が深刻化し、支援機能が低下していることから、医学生向け奨学金制度やドクターバンク事業、ドクタープール制度等を通じて、医師確保対策の強化を図っており、今後とも、これら施策を総合的に推進し、県民が等しく必要な医療を受けられる体制の維持確保に努めて参りたい。

 

5 県地域新エネルギービジョンにおける導入目標の達成状況はどうか。また今後、新エネルギーの普及にどう取り組んでいくのか。

(経済労働部長)
新エネルギーについては、地球環境の保全やエネルギー源の多様化、さらには低炭素関連産業の育成などの観点から利用を推進する必要があることから、県としては、これまでも武道館や県立高校への太陽光パネルの設置、ミカンの搾汁残渣を利用するバイオ燃料や木質ペレットなどのバイオマスエネルギーの活用、新エネルギー教室等による普及啓発などに取り組んできたところである。  こうした中で、平成14年に策定した「愛媛県地域新エネルギービジョン」の目標年次である2010年度の導入実績は、目標値の原油換算18.4万キロリットルに対し、実績が20.6万キロリットルで、達成率は112%と目標を上回っているが、エネルギーの種別でみると、風力発電やバイオマスの導入が大幅に進んだものの、太陽光や太陽熱利用は目標に達していない状況にある。  このため、先般、国に対し、新たなエネルギー政策の早期提示と併せて、新エネ導入促進のための支援策の拡充を強く要望したところであり、今後国の動向等も踏まえながら、県として、新たな導入目標等を盛り込んだエネルギービジョンを策定し、新エネルギーの普及に努めて参りたい。




2010年(平成21年度)9月24日定例県議会議事録

1 しまなみ海道の通行料金体系はどうあるべきと考え、その実現に、今後どのように取り組んでいくのか。

(知 事)
しまなみ海道の通行料金については、膨大な建設費が投入されたため、従来から他の高速道路に比べ極めて割高であり、かつ関係する自治体が多額の負担を強いられている。なんとかならないかという気持ちを、おそらく関係自治体全てが持ってきたと思われる。
高速道路料金における地域間格差を解消して、地域活性化と物流の効率化を図るためには、少なくとも一般高速道路と同等の料金体系とする必要があると考える。 そうした中、今年の四月に公表された上限料金制は、本四道路のみに割高な別料金が設定され、しかもこれまでの各種割引制度が廃止されるという内容であり、遠距離通行における地域間格差は全く解消されず、近距離通行も結果として実質値上げとなるなど、非常に問題がある案であり、見直すべき必要がある。 五月には、本県の重要要望として、事情を同じくする広島県と連携し、島内の住民割引や自転車等の無料化を強く要望している。今後も料金見直しに係る国の動向を注視しながら、機会あるごとに他県とも連携し、国等に対して強く働きかけていく。

 

2 森林整備対策について

(1)愛媛の森林基金による放置森林の間伐等の事業について、実績と今後の取組みはどうか。

(農林水産部長)
「財団法人愛媛の森林基金」が実施をしている放置森林対策では、水土保全機能を高度に発揮することが望まれる森林を対象に、平成十四年度から十か年で4,800haの間伐を目標に森林整備を行っており、これまでの八年間に計画の七十一%に当たる3,396haを実施した。今後二年間で残りの1,404haを実施する計画である。 当事業の終了後も、水土保全機能を高めるための整備が今後とも重要であり、ダム等上流の奥地水源林地域で放置された森林も存在することから、これまで進めてきた間伐の効果等も見極めながら、事業の継続等について検討していきたい。

(2)今後、里山の整備にどのように取り組んでいくのか。

(農林水産部長)
良好な景観の形成や生物多様性の確保、災害の防止などの面から、里山の保全に対する必要性が高まっている。県では、造林補助事業により植栽に対して助成を行うほか、森林そ生緊急対策事業を活用して侵入する竹や松くい虫被害を受けた松の木の除去等にも必要な助成を行っている。 また、森林環境税を活用して、里山の防災機能を高め、山地災害を防止する観点から集落周辺森林の整備を行う一方、公募事業として県民自らが実施する森林づくり活動に対する支援も行っている。 今後とも、地域住民の意向を踏まえながら、各種事業を活用し、県民と一体となって、日本の原風景ともいえる里山の整備や保全に努めて参りたい。

(3)放置竹林整備について、今後どう取り組んでいくのか。

(農林水産部長)
竹は短期間で再生可能な資源として有用であることから、本県では、平成十六年度に竹資源循環利用促進の具体的な行動計画を策定し、竹資源の有効活用と竹林整備の両面から放置竹林対策に取り組んでいる。 竹資源の有効活用では、リサイクル企業が開発をした有機肥料の原料等として、今年度から竹材を供給する取組みへの助成を開始するなど、民間における竹資源の多面的な利用を支援している。 また、竹林整備では、所有者が竹林を伐採し、広葉樹等への転換を図る取組みに対して助成を行うほか、緊急雇用や森林そ生緊急対策事業を活用し、放置竹林や侵入竹の伐採・整理を行っている。 さらに、ボランティア団体が行う竹林整備にも、森林環境税を活用して支援をしており、これらの事業により、昨年度は約59haの竹林整備を図った。 今後とも、森林組合など関係団体はもとより、広く県民との協働を進めながら、活用と整備の両面で放置竹林対策を推進して参りたい。

 

3 外来魚対策について

(1)外来魚が原因と思われる内水面における漁業被害と駆除活動の状況はどうか。

(農林水産部長)
全国の河川、湖、沼では、外来魚の侵入・増殖により、在来魚が漁業被害を受けるなど、水産資源への悪影響が懸念されており、本県においても主要な河川に外来魚が生息し、放流したアユやアマゴが食べられるといった食害の被害が報告されている。 また、水産研究センターが野村ダム湖とその周辺河川で実施した調査では、ブラックバスがフナやハゼ等の小魚を好んで捕食し、特に四月から五月にかけては、上流に遡る天然のアユを捕食していることが確認をされており、将来、アユ資源の減少につながることも危惧されている。 このため、愛媛県内水面漁業協同組合連合会では、外来魚による漁業被害の軽減を目的に、平成二十一年度から国の補助事業を活用して、刺し網や釣りによる駆除を行っているほか、遊漁者に対しては、釣り上げた外来魚を再放流しないよう呼びかけているところであり、県としても、引き続き国の制度を活用しながら、効果的な駆除活動ができるよう支援して参りたい。

(2)外来魚をはじめとする外来種の影響を正しく理解してもらうため、県民に対する啓発にどのように取り組むのか。

(県民環境部長)
 県では、昨年四月に、本県の野生動植物の生息・生育に著しい影響を与えるか、与える恐れのある八十八種について、「侵略的外来生物」として公表するとともに、今年三月には、ブラックバスやブルーギルなど特に注意が必要な外来生物の特徴等を記載した「外来生物対策マニュアル」を作成した。 また、今年五月に松山で開催された生物多様性キャラバンセミナーにおいて、外来生物の防除法などについての研修を行い、さらに、県のホームページを活用して、県内の外来生物などに関する情報を広く募り、県民意識の向上を図ることとしている。 今後とも、県民の主体的な参画を促しながら、外来生物による生態系や人の健康、農林水産業への影響などを周知するとともに、被害を防止するための「入れない」「捨てない」「拡げない」という三原則について遵守を徹底させるなど、県民への理解が一層深まるよう積極的に啓発して参りたい。

 

4 県庁第一別館と本館等の耐震化について、今後どう取り組むのか。

(知 事)
第一別館は、災害対策本部が設置されている防災対策上重要な拠点施設であり、また、ライフラインの確保や県民生活に直結する事業部門を集中配置していることから、早急な耐震化が必要である。 このため県では、平成十三年度に耐震診断、平成十九年度には耐震補強の工法や必要経費の概算等について調査を行い、これを基に、耐震安全性や改修コスト、県民サービスへの影響などについて、総合的に検討を行い、最も耐震安全性に優れ、工事中も執務室の移転が不要な「免震工法」により耐震改修工事を実施することとしている。 厳しい財政状況の中、国の交付金を有効に活用し、今回の補正予算で工事着手に必要な実施設計を行い、平成二十四年度には防災拠点となる第一別館の改修工事に着手したいと考えている。 また、本館、第二別館、議事堂については、昨年度実施した耐震診断の結果、全ての庁舎に一部耐震強度が不足する部分はあるが、いずれの庁舎も補強工事により継続使用は可能となっていることから、今後、診断結果をさらに精査し、県立学校をはじめとした県有施設全体の中での優先順位や財源の確保などの課題も踏まえつつ、耐震化に向けた検討準備を鋭意進めて参りたい。

 

5 岩城橋の着工に向けて、今後どう取り組んでいくのか。

(土木部長)
岩城橋を含む上島架橋については、平成八年三月に開通した弓削大橋に続き、生名橋についても供用開始の日が目前にきている状況となっており、上島町民の日常生活の利便性の飛躍的向上や、合併後の行政の効率化、さらに地域の活性化のためにも、県としても残る岩城橋の建設は必要不可欠であると認識している。 ただ、現在、国、県ともに厳しい財政状況にあり、また、補助金の一括交付金化を含め、公共事業に対する国の方針も明らかになっていないことから、着手時期については、今後の国の動向や県の財政状況等を見極めながら検討していく必要があると考えている。 県としては、上島架橋は三橋が建設されて初めて本来の効果が発揮されるものであると考えており、当面、生名橋の完成後も上島架橋事業が途切れることのないよう、生名島や岩城島内の現道の改良事業を推進するとともに、国に対しても、岩城橋の早期着手に向けて地理的に不利な離島の事業費等別枠的予算を従来どおり確保することなど、引き続き強く要望して参りたい。




2009年(平成20年度)9月28日定例県議会議事録

1 上島町における架橋の必要性と有効性をどのように考えているのか。また、岩城橋の着手見通しについての見解はどうか。

(知 事)
上島架橋は、移動時間の短縮や天候に左右されない往来を確保することにより、通勤・通学はもとより、救急医療・消防防災における住民の不安を解消する等の様々な整備効果があり、合併後の行政の効率化や地域活性化のために必要不可欠なものと認識している。 このうち、生名橋については、難航していた海面下での橋脚の基礎部の工事も終え、現在、順調に主塔工やPC桁の架設工事を進めているところであり、現計画どおり平成22年12月末の供用に向け、鋭意工事促進に努めて参りたい。 また、上島架橋は、生名橋と残る岩城橋が完成して初めて本来の目的を達成するものであり、岩城橋の建設は必要と考えている。 ただ現在、新政権下における公共事業に係る方針が明らかになっていないこともあり、着手時期については、今後、国の動向や県の財政状況を見極めながら検討していく必要があると考えている。

 

2 しまなみ海道の通行料金引下げに伴う効果と今後の対応について

(1)高速道路料金引下げを最大限活用し、本県の地域活性化と産業振興につなげるための高速道路利用促進にどのように取り組んでいくのか。

(土木部長)
県では、高速道路料金の大幅な引下げが明確になった今年の2月に、本県の地域活性化や地域振興を図るため、全庁的な組織として「愛媛県本四道路等高速道路利用促進会議」を設置して検討を行い、3月末に、平成21年度の高速道路の利用促進施策を取りまとめ、利用促進に努めてきており、一定の効果をあげている。 また、しまなみ海道などの本四道路について、四国4県知事で構成する「本四道路利用促進会議」を本年4月に設置し、観光誘客や物流活性化をはじめ、各種の利用促進施策を実施しており、四国ツーリズム創造機構などの関係機関とも連携して、本四道路の利用促進に努めているところである。 今後は、新政権下における高速道路の無料化について、その動向を見守る必要があるが、引き続き、しまなみ海道をはじめとした高速道路を活用し、地域活性化や産業振興につながるよう努めて参りたい。

(2)今後、誘客促進のための取組みをどのように推進していくのか。また、県内自治体や他県と連携した取組みなども併せて問う。

(経済労働部長)
高速道路料金の引下げは、国民の旅行意欲の高まりによる新たな観光需要を生み出す効果をもたらし、4月から7月までの県内の主要観光施設入込客数は、前年同期に比べ、1.3%の増となっており、特に、しまなみ地域では、しまなみ海道10周年記念事業の開催もあり、11.3%の増となるなど、ここ数年にない順調な状況となっている。 このような中、四国4県では、本年7月に新たな広域観光推進組織として、民間事業者の参画のもと「四国ツーリズム創造機構」を設立し、四国のイメージアップと観光客の来訪促進などに取り組んでいるところであり、県内においても、各市町や民間事業者で組織する「四国観光立県推進愛媛協議会」や「南予広域連携観光交流推進協議会」等の各圏域協議会を通じて、個性ある観光資源の掘り起こしやテーマ性のある観光ルートの整備等に取り組んでいるところである。 今後とも、これらの広域観光組織を最大限に活用して、地元住民・市町・民間事業者との連携を強化し、着地型旅行商品の造成など、観光客の滞在時間の拡大につながるような魅力ある観光地づくりに取り組んで参りたい。

 

3 内航フェリー支援策について

(1)フェリー航路維持の必要性について、どう認識しているのか。また、今後どのような支援策を講じていくのか。

(企画情報部長)
本県発着の航路は、一般航路が9航路あり、関西・中国・九州方面への物流や観光、ビジネスの需要に応えている。また、離島航路は25航路あり、通勤・通学など住民生活の貴重な足として利用されている。   これらの航路は、モーダルシフトの受け皿として、また、災害時の緊急輸送手段としても極めて重要な役割を担っているのは勿論のこと、とりわけ議員お話の「しまなみ海道」周辺の生活航路は、架橋とともに地域住民にとって欠かせない交通手段であると認識している。 県では従来から、他に代替手段のない離島航路に対して補助してきたほか、今年度は、高速道路料金引下げの影響を受けたフェリー航路への支援も行っているが、無料化となれば県独自では到底支えきれないところ。 このため、高速道路の無料化に当たっては、まずは国に対し、その影響にも十分配慮し、最も大きく影響を受けるフェリー航路など競合する交通機関が生き残れるような支援策の創設を求めるとともに、国の動向などを十分に見極めながら、県としてどのような対応が可能なのか検討して参りたい。

(2)県内の市町管理港湾はどのような状況になっているのか。

(土木部長)
県内には8市町に28港の市町管理港湾があるが、その内、今回の高速道路料金引下げにより影響を受けるフェリー等が発着する港湾がある新居浜市、今治市、八幡浜市の3市に対しては、議員お話のとおり、県から、本年7月に港湾施設使用料等の減免など、航路維持を図るための積極的な取組を要請したところである。 現在、新居浜市と八幡浜市においては、市独自の支援策として、本年7月から来年3月までの9ヶ月間、フェリーの運航に係る港湾施設使用料の2分の1を減免しており、これにより20年度実績を基に試算すると、新居浜市 約1,340万円、八幡浜市 約3,300万円の支援が見込まれるとのことである。 また、今治市については既に、しまなみ海道開通に伴うフェリー航路支援策として、一部、港湾施設使用料の減免を実施しており、更なる支援については、現在検討中と聞いている。

 


4 新型インフルエンザの県内状況と対応策について

(1)県内の新型インフルエンザ患者数並びにその主な症状及び治療法はどうか。

(保健福祉部長)
新型インフルエンザの患者数については、国内発生当初は全数を把握していたが、その後の感染拡大を受け、現在は、集団発生事例や重症事例を把握する体制に変更されている。 したがって、県内の正確な患者数は明らかではないが、県内では、6月16日に初めて新型インフルエンザの患者が確認されて以降、夏場に入っても学校の部活動を中心に県下全域で集団発生しており、県内で全数把握期間に確認された患者数は5人、集団発生において確認された患者数は、9月14日現在で812人である。 新型インフルエンザの症状は、突然の高熱や咳、のどの痛みなどであり、多くの患者が比較的軽症であるなど通常の季節性インフルエンザと類似している。治療法も季節性インフルエンザと同様に抗インフルエンザウイルス薬のタミフルやリレンザの投薬が有効であり、これまでのところ、県内では重症者や死亡者の例はなく、ほとんどの患者が自宅療養で順調に回復している。

(2)県内の治療薬の備蓄量及び今後の備蓄計画はどうか。

(保健福祉部長)
抗インフルエンザウイルス薬のタミフル及びリレンザについては、国において人口の45%、5,861万人分の備蓄目標を設定し、国と都道府県が分担して備蓄する計画となっている。 この備蓄計画に基づく本県の備蓄目標量は、 ○タミフル 26万7,400人分 ○リレンザ  1万4,900人分 ○合計   28万2,300人分  であり、このうち、これまでにタミフル12万2千人分を購入し、備蓄済みである。 残る備蓄目標量については、今後3年間で調達する計画であったが、今般の新型インフルエンザの発生や今後の本格的な流行に備えて、5月補正予算に加え、今回の補正予算において3年間の全数量の購入経費を計上したところである。 購入については、現在、県に備蓄のないリレンザを優先して調達手続を進めており、今後の流行動向等を見極めながら、医療現場で治療薬が不足する事態とならないよう、適切な時期に購入したいと考えている。

(3)受入可能な医療機関と患者数を、あらかじめ把握した上で、速やかに重症患者に適切な医療が提供できるようにする必要があると思うがどうか。

(保健福祉部長)
お話しのように、新型インフルエンザの本格的な流行期における患者数を想定し、重症患者の発生に対応できる医療を確保することは重要な課題であり、県では先般、県内医療機関に対して、入院診療が可能な医療機関の病床稼働率や人工呼吸器の保有状況等を調査したところ。 また、患者数については、厚生労働省が示した流行シナリオを基に試算すると、1回の流行期において、県人口の20%、およそ28万8千人が発症し、4,320人が入院、432人の重症患者が発生すると推計され、流行のピーク時には、最大500人程度が入院し、うち50人程度が重症化すると想定されるところ。 この想定では、全体として入院医療に不足が生じる可能性は少ないと考えているが、特に、人工透析患者や妊婦、乳幼児等が重症化した場合の対応について、改めて医療機関等との調整を進めているところである。 なお、休日夜間の救急医療は平常時でも逼迫している地域があることから、医療機関の適正受診に対する県民の理解と協力も頂きながら、重症患者等への医療が円滑に提供されるよう努めて参りたい。

 

5 県内におけるネグレクトの発生件数及び具体的事例はどうか。また、それらに対し、今後、どのように取り組んでいくのか。

(保健福祉部長)
    県内3箇所の児童相談所における児童虐待相談で把握された育児放棄、いわゆるネグレクトの年間の発生件数は、近年100件を超えており、昨年度は122件と、児童虐待相談の約4割を占めている。 ネグレクトの具体的事例としては、 ○ 両親の養育能力の欠如や不衛生な家庭環境から、誕生間もない乳児の養育が困難な例 ○ 母親が3人の子どもを残して外出を繰り返し、十分な食事を与えないなど養育を放棄していた例 ○ 浪費癖や不安定な収入から、6人の子どもに食事・医療を満足に与えず、衣服の汚れ等もひどかった例 などがあり、病院や市町、民生児童委員等からの連絡に基づき児童養護施設や乳児院に保護を行った。 このようなネグレクトに対しては、お話のとおり、早期発見・早期対応が重要であり、県では、民生児童委員や保育所、学校、保健所等により、地域で子どもを見守るネットワークが構築されるよう、市町に、要保護児童対策地域協議会の設置を働きかけ、先月までに、全市町において協議会が設置されたところである。 今後とも、児童虐待防止キャンペーン等により、社会全体で子どもを見守る機運の醸成に努めるとともに、各地域協議会において、要保護児童の早期の把握や援助活動等が適切に進められるよう、構成員の資質向上を図る研修会の開催や児童相談所による専門的な助言・支援に努め、ネグレクトをはじめとする児童虐待の防止に取り組んで参りたい。

 

6 厳しい経営状況にある県内の漁業者に対し、県はどのような支援を考えているのか。

(知 事)
水産業は本県の主要な産業の一つであり、低迷する地域経済の活性化を図るためにも、水産業の再生が不可欠であるが、県内の多くの漁業者は長引く漁業不振に伴う多額の固定化債務により、漁家経営が圧迫され、このままでは事業継続さえ困難となりかねない非常に厳しい経営状況にあり、漁家経営の立て直しが喫緊の課題である。 このような状況の中で、国においては経済危機対策補正予算で漁業緊急保証対策事業を創設し、漁業者が県の利子補給資金を無担保で借り入れる際の保証料の助成、万が一、代位弁済が発生した場合の信用保証機関に対する経費助成など、資金融通の円滑化による漁業者の再生を図ることとした。 県では、6月補正予算で販売不振に陥った真珠・真珠母貝養殖業者に対する無利子資金の創設を行ったが、これに加え、今回、国の施策に呼応し、漁業者が緊急保証対策を最大限に活用することができるよう、漁業者が借りやすく、また返しやすい超長期かつ超低利の固定化債務解消のための借換資金を県単独で創設し、漁家経営の再生を強力に支援することとしたところである。 なお、政権交代に伴い、漁業緊急保証対策事業も現在、執行が留保されているが、お話のとおり県内の漁業者は、県の資金と国の緊急保証対策に大きな期待を寄せていること、また水産業は南予地域や瀬戸内海島しょ部での地域振興の核となる産業であることから、県としては早期の事業執行を強く望んでいる。




2008年(平成19年度)9月25日定例県議会議事録

1 しまなみ海道に係る今回の「高速道路料金の引下げ計画(案)」を県はどのように評価しているのか。また、通行料金の低減に向けて今後どう取り組むのか。

(知 事)
今回示された「高速道路料金の引下げ計画」では、これまでの社会実験の効果に基づき、国の総合経済対策の一環として、休日昼間の割引率が5割に拡大され、さらに新たに夜間割引や深夜割引が導入されることは、本県の物流の効率化及び観光振興、地域活性化の観点から一定の効果が得られるものと評価している。 しかしながら、ご指摘があったように、本州四国連絡道路の通行料金は、他の高速道路と比べて基本料金が割高であるうえに、割引の導入後も依然として料金に大きな格差があるほか、首都圏への生鮮食料品等の輸送時間帯を考えると、割引の時間帯などの課題も残されている。  お話があったように、しまなみ海道は生活道路の側面があることから、通勤・通学割引導入の必要性は理解している。  しかし、本州四国連絡道路は、建設費用を通行料金収入で償還する有料道路制度で建設され、また従来から、通行料金の引下げは、地方の出資による経営改善効果の範囲内とされていることから、通勤・通学割引の導入については、減収額を誰がどのように負担するのかという問題を含め、多くの解決すべき課題があるものと認識している。  本四高速の社長と毎年会談する際に、JRでは通勤・通学の定期、言うなれば割引制度があって、高速道路で導入できない訳はないでしょうということを、毎回、申し入れている。  今回の高速道路料金の引下げ計画は、10月から約1年間の計画であり、その後の料金引下げについては今後国等において検討されることから、県としては料金引下げ措置の継続をはじめ、本県の物流等の実情に対応した割引時間帯の設定、さらには県民が利用しやすい通行料金体系や弾力的な料金割引制度の導入等について、今後とも関係機関と連携しながら、あらゆる機会を通じて要望活動を展開してまいりたい。

 

2 療養病床再編問題について

(1)療養病床再編にあたり、県は現時点での課題・問題点をどう認識しているのか。

(保健福祉部長)
療養病床の再編成は、入院患者の実態に応じて、医療が必要な方には医療サービスを、介護がより必要な方には介護サービスを提供できるよう、療養病床から介護施設等への転換を、平成23年度末までに計画的に、医療機関が自らの経営判断によって進めていくものである。  この療養病床の再編成は、基本的には、今の療養病床を、患者を退院させることなく、介護施設等に転換することとなるが、その推進にあたっては、   ・療養病床から転換した老人保健施設の入所者に対して必要な医療サービスが提供できるか   ・療養病床を有する医療機関が安定的に経営できるか   ・各医療機関の経営判断に資する適切な介護報酬が設定されるか などの課題や問題点があると認識している。  国においては、療養病床の再編成については、このような課題等を踏まえ、今後、主な転換先として想定される介護療養型老人保健施設の経営や入所者の実態について調査を行い、介護報酬を適宜見直すなどの更なる支援策を検討することとしている。  県としても、療養病床の再編成を円滑に推進するためには、現在療養病床を運営している医療機関の方々が、国等の転換支援策等に基づいて適切に経営判断していただくことが重要と考えており、今後とも、転換支援策等についての情報提供や相談への適切な対応を行うことにより、医療機関のご理解をいただきながら再編成を進めてまいりたい。

(2)他の施設に転換する病院に対しての支援措置にはどのようなものがあるのか。また、転換に伴って不安を抱える患者に対してどのような支援を行うのか。

(保健福祉部長)
療養病床の再編成にあたっては、現在療養病床を運営している医療機関の安定的な経営の確保及び患者への適切な医療サービスの提供の確保など様々な課題があることから、再編成を円滑に推進するためには、各般の転換支援策を講ずる必要がある。  このうち、療養病床を他の施設に転換する病院等に対する支援としては、
・夜間の看護体制や看取りの対応体制の整った介護療養型老人保健施設の創設
・療養病床の既存の建物を活用して老人保健施設に転換するための施設基準の緩和
・老人保健施設等への転換にあたり必要となる施設改修費用への助成などの措置が講じられている。

また、患者に対する支援としては、
・地域包括支援センターが中心となり病院関係者と連携して行う、退院又は転院を希望する者の受入先等の調整
・市町が中心となって設置する相談窓口における、患者や住民からの相談への対応などの措置が講じられ、県、市町、地域包括支援センター等が連携を図りながら、患者や住民の不安解消に努めることとなっている。
今後とも、医療機関及び患者等にこれらの支援措置について情報提供するとともに、相談に適切に対応することにより、療養病床の再編成の円滑な推進に努めてまいりたい。

 

3 海事関連産業の振興は県の活性化に大きく寄与するものと考えるが、具体的な支援策についてどう取り組んでいるのか。

(経済労働部長)
造船業をはじめとする海事関連産業は、本県にとって、地域経済の活性化や雇用の確保等に極めて重要な役割を担う基幹産業である。 しかしながら、お話のとおり、技術者や船員の高齢化など多くの課題を抱えており、積極的な振興策を講じていく必要があると認識している。  このため、県では、企業立地促進法に基づく基本計画において、海事関連産業を集積業種に指定し、設備投資減税などの支援措置の対象としたほか、県独自に不動産取得税の課税を免除する条例を制定するなど、海事関連産業の競争力の維持・強化を図っている。  また、今治高等技術専門校への設備エンジニア科の新設や今治地域造船技術センターへの運営費助成等による造船関連技術者の養成、さらに、講習会の開催を通じた内航・外航海運船員等の意識啓発など、業界と密接に連携した人材の育成・確保に取り組んでおり、今後とも地元市町や業界のニーズを踏まえ、積極的な支援策を講じてまいりたい。  なお、お話の「第二船籍制度」については、国土交通省において、船長等の日本人要件が撤廃されるなど、一部で実現化が図られており、引き続き、海運をめぐる国の動きを見守ってまいりたい。

 

4 「愛ロードスポンサー事業」の内容と県が予測している効果はどうか。また、この事業を今後どう周知し進めていくのか。

(土木部長)
県では、これまでボランティアにより道路の清掃美化を行う「愛ロード制度」など、県民との協働事業の推進に努めており、昨年度からは、社会貢献に理解のある企業等の協賛金を活用して除草作業を行うスポンサー事業を新たに導入し、今年度、さらに道路照明灯の設置をメニューに追加したところである。  この事業は、企業等のスポンサーから資材を提供していただき、県が施工と管理を行うとともに、協力いただいた企業名等を道路照明灯に表示するもので、8月12日から県下一斉に募集を開始したところであり、この事業により、道路の安全で安心な利用環境が確保され、維持管理費用の低減に大きな効果があるばかりでなく、企業等にとってもイメージアップにつながるものと考えている。  県としては、このように県民や企業等が参加して、道路の維持管理を行う仕組みを「えひめ愛ロード運動」として位置付けたところであり、今後、県民に広く提唱することはもとより、内容の拡充など、県民との協働による道路の維持管理に取り組んでまいりたい。

 

5 教育問題について

(1)保護者からのあまりにも理不尽な苦情・要求・行動はどのようなものがあるのか。また、学校や現場教師とはどう連携をとり対応しているのか。

(教育長)
 本県の学校への理不尽な苦情・要求等の一例を挙げると、
・小学校では、担任が気に入らないので替えてほしい
・中学校では、定期テストでうちの子が解けない問題を出題するな
・高校では、身だしなみ指導は、人権侵害になるのでやめてほしい
などがあり、大半は、学校の方針や子どもの指導方法に関するものであり、中には、学校の説明に納得せず、解決に時間がかかるなど、対応に苦慮するものがある。  いわゆるクレーム等については、各学校では誠実に対応しているところであるが、解決が難しい場合もあり、学校と所管の教育委員会が連携し、PTA役員や地域の有識者などの協力を得ながら、解決に努めているところである。  また、学校関係者だけでは解決が困難な場合には、県教育委員会が、当該校に弁護士、警察職員等の専門家で構成する学校トラブルサポートチームを派遣し、問題解決に向けての指導・助言を行っており、これまでの派遣事例にあっては、いずれも円満な解決に至っている。  今後とも、苦情等への適切な対応方法等を学ぶ実践的な研修を実施するとともに、学校トラブルサポートチーム派遣事業を効果的に活用し、トラブルの未然防止や教員の負担軽減を図るためにも早期解決に向けた各学校への支援に積極的に努めてまいりたい。

(2)本県における「スクールソーシャルワーカー」の配置状況はどうか。また、その周知と資質の向上について今後どう取り組んでいくのか。

(教育長)
 いじめや不登校等の問題の背景には、様々な要因が複雑に絡んでおり、その解決のために、お話のとおり、県内各小中学校においては、子どもや保護者を対象としたスクールカウンセラーやハートなんでも相談員による学校内での相談活動・カウンセリングを行っているが、それだけでなく学校の枠を超えて家庭、地域、関係機関等と連携し、福祉のノウハウも活用しながら、問題解決に向けた援助を行うスクールソーシャルワーカーの役割が重要となってきている。  このため、県教委では問題を抱える児童生徒の生活環境の改善やいじめなどを巡る保護者間の対立の解消等ができるよう、本年度から、県内14の市町に18名のスクールソーシャルワーカーを配置した。  その活動は始まったばかりであるが、医療機関や地域の福祉課、児童相談所等と連携しながら養育放棄の家庭に働きかけ、問題解決を図るなど、コーディネーターとしての役割を十分に活かした取組みの成果などが報告されている。  今後は、「児童生徒をまもり育てる協議会」等を通じ、学校関係者やPTA、民生委員等に対し、スクールソーシャルワーカーの役割の周知徹底に努めるとともに、その資質の向上を図るため、県下の活動事例の共有化や社会福祉の専門家による実践的な指導も取り入れ、地域の実情に応じた、きめ細やかな対応ができるよう支援してまいりたい。




2007年(平成18年度)12月定例県議会議事録

1 本州四国連絡高速道路での社会実験の中間とりまとめ結果を県はどのように評価しているのか。また、20年度以降の通行料金引下げに向け、今後どのように取り組むのか。 (知 事) 社会実験の中間とりまとめでは、しまなみ海道の休日割引において、交通量が対前年比8〜10%程度増加、沿線観光施設入込客数が愛媛県側で対前年比30%程度増加している。 さらに、サービスエリア・パーキングエリアで実施した観光客へのアンケート調査においても、多数の方から社会実験の実施を契機に旅行先やルートの変更はじめ、旅行日数を増やしたとの回答を得ており、このたびの社会実験がしまなみ海道の観光振興に大きく寄与しているものと評価している。 また、物流の面においては、30%の深夜割引により、原油価格高騰で上昇している物流コストの低減が図られるとともに、神戸淡路鳴門自動車道、瀬戸中央自動車道の交通量が10%程度増加しており、四国産品等の市場拡大にも寄与しているものと考えている。 本州四国連絡道路の通行料金は、議員ご指摘のとおり極めて割高であり、地域間交流や円滑な物流の大きな障害となっていることから、今後の料金引下げの突破口として、現在実施中の深夜割引と休日割引が、平成20年度以降、3ルートすべてにおいて実施されるよう、道路特定財源の確保とあわせて今後ともあらゆる機会を捉えて、国等の関係機関に要望して参りたい。   2 ドクタープール制度を真に地方医療体制への特効薬とするために、県は今後どのように取り組んでいくのか。 (保健福祉部長) 平成16年度からの臨床研修の必修化を契機に、地方では十分な医師確保が困難となり、へき地診療所だけでなく、市町立病院においても医師不足が生じるなど、地域医療を確保する上で深刻な状況となっていることから、今回新たに、市町からの強い要望を受け、ドクタープール制度を創設したところである。 この制度は、県が直接医師を採用し、医師不足により体制維持に支障を来たしている市町立病院に派遣するもので、現在、平成20年4月の採用に向け、募集を開始したところである。 募集に当たっては、県の専用ホームページで市町立病院を紹介するとともに、医師向け専門誌を活用し広く制度の周知を図るほか、義務年限終了後の自治医科大学卒業医師やドクターバンク事業で登録した医師等への情報提供に加え、あらゆる機会を捉えて個々の人材発掘に向けた働きかけを行うほか、議員お話の趣旨を踏まえ、市町とも連携のうえ、一人でも多くの医師に応募していただけるよう努めて参りたい。   3 県では自殺対策において具体的にどのように取り組んでいるのか。 (保健福祉部長) 自殺は様々な要因が複雑に関係しており、関係機関・団体が連携し、中長期的な視点に立って、継続的な自殺対策に取り組む必要があると考えている。 県ではこれまでも、保健所や心と体の健康センターでの精神科医師等による面接・相談、県民への心の健康の普及啓発などにより自殺対策を実施してきたが、「自殺対策基本法」の施行を受け、 ○医療、教育、警察等関係機関のネットワークの整備 ○自殺予防の普及啓発ポスター等の作成 ○保健所等で相談に当たる職員の資質の向上 など一層の充実・強化を図っている。 また今年度は、自殺死亡率の高い地域において、地元内科医師と精神科医師との連携強化や、地域において見守り活動を実施する「地域見守りネットワーク」の構築などの事業をモデル的に実施するとともに、各保健所において、地域の自殺の実態把握や地域特性に応じた自殺対策に取り組んでいるところである。   今後とも、これらの取組みを進めながら、市町、医療機関等と密接な連携のもと総合的な自殺対策を推進して参りたい。   4 地域活性化への支援・振興策について (1)「愛媛のものづくりデザイン戦略モデル事業」の取組状況はどうか。また、今後、企業のデザイン戦略への支援にどのように取り組んでいくのか。 (経済労働部長) 様々な商品が市場に溢れ、消費者ニーズも多様化する中で、県内中小企業が「売れるものづくり」を進めていくためには、良質なものをつくる技術に加え、消費者の購買意欲を高めるデザインやキャッチコピーを取り入れ、効果的なPRに努めることが重要である。 このため、県では、平成18年度に「愛媛のものづくりデザイン戦略モデル事業」を創設し、これまでの2年間で、タオル、食品、紙製品などの新商品開発にデザイン戦略を取り入れようとする企業11社に対して支援を行った結果、消費者に強いアピール力を持つ商品やパッケージの開発に成功し、売上げを2割伸ばした企業や、新たに、地元スーパーや百貨店のほか首都圏の店舗と取引ができるようになった企業が出るなど、徐々に効果が上がってきている。 県産品は、品質は優れているが、それに見合ったデザインやPRが伴っていないという声がまだ多くあることから、県としては、今後も引き続いて、工業技術センターの研究員等による、きめ細かな指導・助言や各種助成制度を活用した支援を行い、県内企業のデザイン戦略を取り入れた売れるものづくりをさらに促進して参りたい。 (2)プロスポーツを積極的に活用した地域活性化のこれまでの取組みの成果はどうか。また、今後、どのように展開していくのか。 (企画情報部長) 県では、地域密着を理念に掲げ、活動している愛媛FC及び愛媛マンダリンパイレーツの両球団を県民総ぐるみで応援し、これを地域の活性化につなげていくため、昨年度から、県プロスポーツ地域振興協議会を中心に、市町や関係団体の御理解・御協力を頂きながら、各種フォーラムの開催や特産品の販売、来場者への記念品プレゼント、応援経費の助成等、県民気運の盛上げや情報発信の強化に資する様々な事業を展開し、支援してきたところである。 その結果、協議会設立後の2年間で、両球団の県内ホームゲームで、合わせて延べ28万人を超える来場者を記録するなど、ファン層の定着・拡大につながったほか、 ○スタジアム内外での出店やイベント開催等による県民参加意識の高まり ○市町レベルでのスポーツを生かした地域づくり活動の普及促進 ○各種スポーツ教室や福祉施設訪問等、球団による地域貢献活動の活発化 ○観戦ツアーや応援定期預金等、民間サイドのタイアップ商品やサービスの相次ぐ創出 など、経済的効果のみならず、幅広い社会的・教育的効果をもたらすなど、本県にとって、かけがえのない財産として、広く認知されるようになったと受け止めている。 最近では、愛媛FCの天皇杯サッカーベスト16入りや、愛媛マンダリンパイレーツの球団史上3人目となるNPB選手誕生など、両球団の存在感を全国にアピールする話題も多く、今後の更なる飛躍が期待されている中で、県としても、関係機関・団体と連携を密にしながら、県民気運の更なる浸透や、魅力ある情報発信を図るための協議会事業を一層充実させ、プロスポーツという貴重な地域資源を活用した地域の活性化に、今後とも積極的に取り組んで参りたい。 (3)ファミリーマートとの連携事業について、産業振興分野でのこれまでの取組状況と今後の展開はどうか。 (経済労働部長) 県においては、国内及び海外に1万3千店舗を超える屈指の販売網を持つファミリーマートと包括協定を締結し、産業振興分野における協働事業として、県産食材を使用した弁当や惣菜等の共同開発、全国商材となり得る県産品の紹介・斡旋などを行い、県内外の店舗での県産品の販売促進に取り組んでいる。 特に、弁当等の開発については、県推奨米「愛のゆめ」などを使用した8商品を発売し、うち1商品は3週間連続で四国エリア売上げ第1位という好成績を記録したことから、現在は、公募した学生のアイデア等を参考に、中四国エリアでの発売も視野に入れた次の商品開発に着手している。 また、県内業者が製造する加工食品等を全国商材として使用するよう働きかけた結果、既にパイ菓子や麦味噌などが採用されているほか、西宇和産みかんの店頭販売も中四国エリアにおいて開始されている。  さらに、ファミリーマートに対して販売エリアの拡大を要請し、このたび全国展開の企画を検討していただくことになったことから、県としても、その実現と1つでも多くの県産品の採用を働きかけているところであり、今後とも、こうした民間活力の活用に努め、県産品の販路拡大や愛媛ブランドのPRにつなげて参りたい。


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